ご挨拶

環境パートナーシップ・CLUB 会長 勝野 哲 中部電力株式会社
環境パートナーシップ・CLUB
会長 勝野 哲
中部電力(株)

 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)は、環境活動に熱意を持つ企業が集い、業種・業態の枠を超えて環境負荷低減活動などに関する研究、交流、実践、そして情報発信を行うことによって「循環型経済社会」の構築を目指すため、中部地域の産業界が中心となって2000年2月に設立されました。
 設立以来、ISO14001の認証取得の促進、環境経営に資する情報提供、先進事例の調査、次世代層への環境啓発や海外研修生との意見交換など多岐にわたる活動を展開してきました。設立以降の地球温暖化や生物多様性問題の深刻化などの社会情勢に対応し、「循環型経済社会」の構築から、脱炭素・資源循環・自然共生の同時達成を通じた持続可能な経済社会の実現を目指す活動へと発展させつつ、会員の環境経営を支援しています。
 さらに、2005年の「愛・地球博」(日本国際博覧会)、2010年の「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)、2014年の「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」に協力するなど、自治体や地域と連携した取り組みにも注力してきました。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大により対面活動に制約があった時期においても、活動の火を絶やすことのないようWebツールを活用したオンライン活動などの工夫により、会員企業の環境経営の実践を支援してきました。

 エネルギー・環境を取り巻く情勢は、米国のエネルギー輸出国への転換やロシアによるウクライナ侵略を契機として、世界的な規模で「断層的変動」と呼ばれるほどの危機的変化を生じ、安全保障、経済の両面で大きなリスクに直面しています。この危機を捉えて、わが国では、エネルギーの安定供給を全うしつつカーボンニュートラルを実現するためのGX(グリーン・トランスフォーメーション)の取り組みを加速させています。また、資源循環の分野では、資源利用の最小化、資源の循環的利用、製品価値の最大化を追究するサーキュラーエコノミーへの移行を進める戦略、自然共生の分野では、生物多様性の損失を止めることから一歩前進して回復に転じるネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指す戦略が策定され、国をあげた取り組みが進められています。
 これらは社会や経済全体の変革なくして実現できない課題であり、私ども産業界においてはこの変革を成長のための機会として捉え、革新的な技術の社会実装を進めるとともに、経済社会の持続可能な発展に向けたトランジションの取り組みを着実に推進することが期待されています。
 今後も、EPOCは多種多様な業種・業態の会員による連携活動を通じて、会員の環境経営のレベルアップや環境人財の育成を促進し、地域社会とともに持続可能な経済社会の実現を目指して努力してまいります。
 皆様には、一層のご支援と活動への積極的な参加を賜りますようお願い申し上げます。

環境パートナーシップ・CLUB会長
勝野 哲