本日は、平成30年度EPOC総会にお集まり頂き、誠にありがとうございます。本年度より、中部電力株式会社会長水野様の後任として、EPOC会長の職を担わせて頂くこととなりました、JR東海の柘植でございます。
会員の皆さまには、EPOC活動に対して多大なるご理解とご協力を頂いておりますことに対し、厚く御礼申し上げます。
昨年度を振り返りますと、世界はパリ協定の実施に向けて動き出し、11月にドイツで開催されたCOP23では、実施指針について議論されました。しかし、一部途上国からは先進国と途上国の取組みに差を設けるべきという協定以前の主張が行われました。また6月には米国が協定からの離脱を表明し、その影響が懸念されました。このように、地球環境への対応をめぐる国際的な枠組は、不安定さをはらんでいることも垣間見えるようになってきています。
そのような中において、社会、経済の持続的な発展を追求していくためには、環境保全と企業活動が調和した循環型経済システムへの変革を着実に進めることが必要です。温室効果ガスの排出を世界全体で大幅に削減し、気候変動に対する脆弱性を低減し、強靭な社会を構築していかねばなりません。また、同時に、経済成長や雇用の増加、インフラの整備など、持続可能な開発目標、いわゆるSDGsを追求していくことが重要です。
さて、EPOCでは、昨年度も「持続可能な経済社会」の実現に向けて、幅広い企業や団体が連携して行う活動の実績を積み上げて参りました。各分科会を中心に、会員のレベルアップを目的としたセミナー、勉強会の開催や、地域社会の環境啓発のための次世代層への環境学習支援や、他団体と連携した活動など、取組みを幅広く行って参りました。また、分科会活動とは別に、エネルギー・環境政策の動向に関するフォーラムや、環境に関する先進的な取組みの視察会を実施し、会員や社会のニーズに応えるように努めて参りました。
具体的な活動実績の概要につきましては、後ほどの議案の中で幹事長からご報告させて頂きます。
本日の基調講演には、一橋大学大学院 経営管理研究科の山内弘驪ウ授をお招きし、「エネルギーシステム改革と今後のエネルギー市場について」をテーマにご講演頂きます。山内先生は、公共経済学、公益事業論などを専門領域とされております。これまでに数々の政府委員会委員を歴任され、現在、資源エネルギー庁調達価格等算定委員会委員、総務省情報通信審議会委員、総合エネルギー調査会委員などを務めておられ、様々な産業領域における政策を提言してこられました。
本日は、これまでのご研究の中から得られた深い知見と、我が国の政策策定の最前線におけるご活躍の実績を元にした、貴重なお話をお伺いできるものと思います。
会員のみなさまには、今後の活動のヒントとなり得る充実した内容になるものと思います。
今後も、EPOCの特徴である産官学連携のもと、「持続可能な経済社会」の構築に向けて、様々な活動を展開していきたいと存じます。引続き、EPOC活動への皆さまの積極的な参画とご協力をお願い申し上げまして、私の挨拶とさせて頂きます。