本日は、ご多用のところ、平成26年度EPOC総会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。この度、EPOC前会長の新美様から会長を引き継ぎました東邦ガスの安井でございます。前会長の路線を引き継ぎ、微力ではございますが、EPOCの発展のために力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。会員の皆様には、日頃よりEPOC活動に対して多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、近年、日本経済は緩やかな回復基調が続いておりますが、不安定な世界情勢や新興国の成長鈍化など、依然として先行きは不透明でございます。そうした中、地球温暖化防止など、環境対策は全世界で早急に取り組まなければならない大きな課題となっております。昨年11月に開催されましたCOP19では、2020年以降の新たな枠組みの構築に向けて、各国が自主的な削減目標を提示することなどが合意されました。そこで本日は、総会後の基調講演会に前環境事務次官の谷津(やつ)様を講師にお迎えし、COP19を踏まえた環境を取り巻く最新動向についてご講演をいただきます。今後の環境経営に資する貴重なお話をいただけるものと考えておりますので、今後の取組みに活かしていただければ幸いでございます。
現在、「環境」や「エネルギー」に対する社会の関心は従来以上に高まりを見せており、企業は、環境性と経済性の両立に向けた事業活動を進めるとともに、継続的に環境問題に取り組むことで社会に貢献していくことが求められています。そうした要請に応えるためには、各企業がそれぞれの立場を超えて連携し、知恵を結集することが必要だと考えております。
そのような中、産業の集積地であります、ここ中部地区において、業種・規模の垣根を超えた企業が集まり、横断的な活動を展開するEPOCとその活動は非常に大きな意義を持っていると考えております。
私たちEPOCは、2009年に会員企業間の連携と地域との交流を通じた産業界全体の更なるレベルアップを目的として、2020年ビジョンを策定しました。このビジョンを活動の軸として、持続可能な社会構築を目指し、会員一同積極的に活動を推進してまいりました。
また、今年度は愛知県でESDユネスコ世界会議の開催が予定されており、「持続可能な開発のための教育」に関心が集まっているところでありますが、EPOCの活動は、それ自体がESDに資するものであり、EPOCの目指すビジョンは、ESDの集大成といえるものではないかと考えております。そこで、11月のESD本会議のサイドイベント会場にてEPOC活動を世界に情報発信していく予定であります。
昨年度の活動を振り返りますと、新美前会長のもと7分科会体制で、先進事例や国際動向に関するセミナー、次世代層への教育支援、海外研修生との交流など、多岐に亘る活動を展開してまいりました。先日も、究極のエコカーともいわれる燃料電池自動車や水素に関する報道が多数されておりましたが、昨年度、まさにこのテーマでフォーラムを開催し、会員相互の活発な交流が生まれ、EPOCの役割の一つである産業界の更なるレベルアップを果たすことができました。
これまでの活動を踏まえ、今年度は、企業が培ってきた「環境のわざ」を活かして「持続可能な経済社会」の実現を目指すという目標のもと、二つの活動方針を軸に活動してまいります。
一点目は、環境やエネルギーなど経済社会における重要なテーマを取り上げ、視察やフォーラムなどの企画活動を通じて会員企業の環境経営の実践に貢献することです。
二点目は、各分科会活動やEPOCの強みである産官学の連携を通じて情報発信力を強化・充実させることです。
この活動方針に従い、会員企業の環境経営に資する活動をより発展させていくとともに、地域との交流や情報発信により地域全体の環境意識を高めることで、世界に誇れる環境先進地域の形成を目指していく考えです。
今後もEPOCの活動をより充実させていくためには、皆様のご支援が必要不可欠であります。引き続き、EPOC活動への皆様のご理解並びにご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。