平成21年度EPOC総会の開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
本日はお忙しい中、このように多数の皆様にお集まりいただき、誠にありがとうございます。また日頃はこのEPOCの活動にご理解とご協力を賜り、改めて厚く御礼申し上げます。
EPOCは、今年で満9年が経ちました。これまで各企業のトップが業種や規模の垣根を越えて、さらには市民・有識者・行政との連携を図りながら、『産・官・学・市民』が一体となった活動を展開してきました。昨年はここ愛知県で、「エコタウン大会」と「ゼロエミッションフォーラム」が全国で初めて同時開催され、EPOCも共催者として名を連ねるなど、EPOCの活動方針の軸である「2010年ビジョン」のスローガン「“モノづくりのわざ”から“環境のわざ”の実現」に向け、着実に成果を積み上げてきております。会員の皆様には多大なるご協力を賜り感謝申し上げます。
さて、昨今の環境問題の動向として、先月、日本の温室ガス削減中期目標を05年比15%減に設定することが発表されました。日本のエネルギー効率は既に欧米の2倍、世界一の水準にあり、これをベースにしたこの目標は決して容易に達成できるものではないと思います。また、来年2010年の10月には、生物多様性条約第10回締約国会議(通称COP10)が、この愛知・名古屋で開催されることが決まっています。EPOCに対しても、既に、来年の本会議や今年のプレイベントへの様々なご期待やご要望を頂いております。
地球温暖化も生物多様性も、各企業の配慮や努力はもとより、産業界、行政、市民など、みんなで、将来のあるべき姿を共有した上で、一致協力・連携して、知恵を出し、汗をかいて、技術や産業構造やライフスタイルの変革に向けた行動を起こさなければならないと思います。09年度は、EPOCとして、今までの活動で着実に成果がでてきている取り組みを継承しつつ、中長期ビジョンを検討し共有する事と、情報交換や刺激・連携につながる機会を増やす事を最重要な課題として取り組んで参りたいと思っています。
すなわち、「地球温暖化の問題や生物多様性の問題」に対して、今後我々企業がどう向き合っていくべきか。或いは、これら課題を解決する上で、会員企業同士のコラボレーションによる新たな取り組み等を創出できないか。この様な視点から、EPOCを将来にわたって持続・発展させていく土壌を築き、そして会員企業の皆様にとって魅力を感じて頂ける情報発信・活動を少しでも多く行っていきたいと思います。
具体的には、ご好評を頂いております各種イベント、例えば、先進環境企業の視察交流会、無料の専門セミナー・フォーラムなど、について毎年40件以上開催し、延べ1,000人以上の方に参加頂いておりますが、引き続きこの取り組みでは、昨今の情勢を先取りしつつ、身近な環境話題も取り上げて、会員企業のレベルアップに貢献して参りたいと思っております。また、会員様からは、「社員の環境教育や人材育成に繋げたい」とか、「業種業態を越えた連携を図りたい」、といった声を頂いており、このようなニーズに対しても、各分科会活動を通して企画に反映できるよう努力して、「常に環境先進地」であることを会員の皆様と共に目指していく所存でありますので、EPOC活動へのご理解と積極的なご参加のほど、お願い申し上げます。
昨年の金融危機に端を発した世界同時不況は、一部復調の気配があるとはいえ、依然厳しい状況が続いています。企業には、不況を乗り越えつつ、環境問題にも対応しなければいけない難しい局面ではありますが、こういう時こそ『「環境」なくして「経済発展」なし』ということを強く意識し、会員の皆様には、これまで以上に積極的なご協力をお願い申し上げて、私からの挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。