EPOC低炭素社会分科会
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日 時: | 2014年2月6日(木曜) 12時〜17時40分 |
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視察先: | 中部臨空都市周辺(愛知県常滑市) |
参加者: | 40名(EPOC会員) |
内 容: | NEDOのプロジェクトが燃料電池車用の水素を供給する実証研究をしている「セントレア水素ステーション」、新エネルギーの展示体験施設と企業の新エネルギー実証研究施設のある「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」、出力850kWの風力発電機が設置されている「新舞子マリンパーク」のあいち臨空新エネルギーパーク3箇所を見学し、新エネルギーを学ぶ。 |
所 感: | セントレア水素ステーションでは燃料電池車の燃料になる水素がどのように作られ、貯蔵され、供給されるかを燃料電池自動車と共に見ることができた。幾重もの安全性に配慮した設備が実証研究されており、新エネルギー確立までのはるかな道程を実感した。 あいち臨空新エネルギー実証研究エリアへは、EPOC低炭素社会分科会の前身である温暖化省エネ分科会で2009年6月に訪れている。当時に比べ「バイオエタノールプラント」や「交通信号用燃料電池」「EV用急速充電器」など新たな実証試験設備が増え、新エネルギー研究の多様性と変遷を実感した。 新舞子マリンパークでは直径52mの風車をもつ風力発電施設を見学した。全国に数多くある風力発電施設の平均的な施設で、立地条件など風力発電の難しさを実感した。 |
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1.セントレア水素ステーション
愛知万博で建設・運用した水素ステーションを2006年に中部国際空港島に移設。東邦ガスが国、NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)の支援の元、技術実証を行ってきている。2015年の燃料電池自動車の一般ユーザーへの発売開始に合わせ、エネルギー関連会社10社はステーション技術を実証、課題を解決し、全国で100基程度の水素ステーション整備を目指している。セントレア水素ステーションは、愛知万博会場からセントレアへ移設後、空港のランプバス(ターミナルから離れた場所に駐機した飛行機へお客さまを運ぶバス)などに水素を供給してきた。その実績は15,000kgを上回る(乗用車1台への充填量を5kgとすると3,000台分以上)。
このステーションには、敷地内で水素を作り供給する「オンサイト」型として、(1)水素を作る「水素製造装置」、(2)水素の圧力を高める「圧縮機」、(3)水素を貯蔵する「蓄ガス器」などがあり、耐久性などを確認している。
水素ガスは40MPa(約400気圧)の高圧(供給側)を低圧側(車)に差圧で充填するが、接続するカプラーは漏洩の無いように装填されないと水素が導通しない仕組みになっている。また、万一充填の途中で車が誤発進してもガスが遮断される機能の他、火災や地震発生時の安全装置も設置されている。
最近開設した「とよたエコフルタウン水素ステーション」等の最新のステーションでは、1回の充填で500km以上走行できるように、更に高圧の70MPa(約700気圧)で水素を充填するための実証試験中である。
ステーションは、高圧ガス保安法等の技術基準(耐圧性能や材料)に則って建設されている。
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2.あいち臨空新エネルギー実証研究エリア
愛知県が運営する新エネルギー関連産業の振興に重点を置いた実証研究推進事業を展開する施設。最先端の技術を活かした実証研究と、県民の新エネルギーに対する理解向上を図るための施設で、「あいち新エネルギーパーク」の中核となっている。内部には「集光型太陽発電プラント」、「どの方向から風が吹いても回転する蓄電式小型風力発電装置」、「EV/PHV用急速充電器」、「交通信号用燃料電池」、「紙からできるバイオエタノール」等が研究されている。
ここで発電した電力はエリア内で使用されたり、EV/PHV用充電施設の電源として使用されている。また新エネ体験館では発電と消費の電力状況表示パネルや太陽光発電、燃料電池体験、風力発電の体験型の設備がある。
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3.新舞子マリンパーク風力発電施設
新舞子マリンパークは平成10年にできた人口島で、東京ドームのほぼ4倍の広さがある。中にデンマーク製でブレードの直径52m、出力850kWの風力発電機が2基設置されている。発電した電力は施設内で使用し、残った電力は中部電力に販売している。設備費は2基で4億5千万円、15年から20で償却する予定という。発電範囲の風速は4m〜25mと他の発電機に比べ幅が広い。風車が回っているからといって必ず発電しているわけではない。風速3.5Mなどの時に風車が回っていても出力計は0である。
風力発電は設備費が比較的安く夜間も発電が可能だが、広い場所が必要、音が出る、などの問題がある。
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