3.東邦ガス株式会社 知多緑浜工場 <知多市緑浜町>
【概説】
東邦ガス株式会社知多緑浜工場は、海外から調達したLNGを気化し都市ガスとして中部エリアに供給するLNG工場です。生物多様性保全の取組みとして、2001年の工場建設時に設置されたビオトープは、今では多くの生き物の生息する場となっています。
最初に、天然ガスと知多緑浜工場の施設概要について、担当の方から説明して頂きました。天然ガスのクリーン性や隣接するLNG工場との効率的運用、周辺の景観に溶け込む地下式LNGタンクの採用等、天然ガスに対する知識が高まりました。
次に、ビオトープエリアの計画段階から12年後の現状までの過程等について、担当の方から説明して頂きました。工場操業前からの周辺緑地等における生物の調査、ビオトープ設計段階における30年先を見据えた緑地設計の整備方針(メインとなる生物種やビオトープ構造の検討、植生遷移を考慮した植栽種と植栽場所の検討等)と現状、維持管理や新たにビオトープを整備する際のアドバイス等のお話があり、大変参考になりました。
その後、2班に分かれて建設中の地下式LNGタンクとビオトープを見学させていただいた後、質疑応答の場を設けていただきました。ビオトープでは、池に生息するトンボ類や魚類、外来種、植生の遷移の状況等について説明して頂きました。散策路には、先駆植物として植栽されたオオバヤシャブシの実がたくさん落ちており、その役割を実感できました。
参加者から以下のような感想をいだだきました
「ビオトープを一から作り上げたのに、すでに自然と同調している」
「陸地から橋でつながった島でも多数の昆虫、タヌキなどが住みつき、生態系ネットワーク形成の重要性がわかった」
「しっかりとした考えと綿密な調査に基づき、ビオトープが作られていることが理解できた」
「30年先を見越した緑地設計の考え方が参考になった」
「ビオトープ設計段階からの構想や整備方針の考え方、整備を考えている会社へのアドバイスがとても参考になった」
「トンボに着目された点、植林の考え方が参考になった」
「ビオトープが自然に近い形で形成され、将来的な姿がどうなるか興味深い。ビオトープの技術を一般(自治体など)に広める活動をしてほしい」