1.大和ハウス愛知北ビル(愛知県小牧市中央)
【概説】
大和ハウス工業株式会社の「工業」はハウスの工業化を表しており工業化における廃棄物やCO2の排出量削減などに取り組んでいます。また、先進技術でエネルギーを賢く使う「Eco Smart Project」を立ち上げています。「Eco Smart Project」は自然の力を活かしながら負荷を制御する「パッシブ技術」、高効率の設備により、創エネ、省エネ、畜エネを行う「アクティブ技術」、これらを適切に制御する「エネルギーマネジメント」を柱に建物全体で環境性能を高める建築プロジェクトです。
今回視察させて頂いた大和ハウス愛知北ビルは、2011年12月13日にオープンした、全体が環境配慮型のオフィスであり、1階にリビングサロン、2階に会議室、3階に執務室がある建物です。フロアごとに環境性能についてお話頂きました。
【壁面緑化】
大和ハウス愛知北ビルにはフレーム式壁面緑化システムが取り入れられています。この壁面緑化方法は庇としての日射遮蔽とメンテナンスコストの抑制が可能な方法で、壁面に取り付けられた幅15cmのフレームに軽量土壌を入れ植栽し、地上に設置したポンプによりドリップチューブで給水します。水分量は水が垂れ無いようブロックごとに水分センサーでコンピューター制御され、少ない水量で緑を確実に維持しています。見学時点の法律では緑化率の計算は、地上1mの高さまでしか認めておらず、壁面緑化全てが緑化率に算入されるよう実証することが今後の課題とお話頂きました。重量:100kg/m2
【採光】
大和ハウス愛知北ビルでは様々な採光が試みられておりました。採光ブラインドによる昼光の利用では 光拡散フィルムを使い様々な角度からの光を集め、部屋全体に光を行き渡らせておりました。赤外線80%以上を反射するため室内への輻射熱を防止でき、冷房エネルギー削減効果もあります。光ダクトによる昼光の利用では、屋上からの昼光をそのまま1階エレベーターホールと4階オフィスの照明に使用していました。採光ブラインドと組み合わせ、晴天時には電力消費0に挑戦しております。
その他にも、アクリル板の端面からLEDライトを照射すると板の中を約43°で反射を繰り返し光が進んでいくアンビエント照明や、ビルディングのエコだけでなく、残業時にはワークスペースをまとめて不必要部は消灯するなどのエコワークスタイルも取り入れておられました。