EPOC「先進省エネ施設視察調査」
視察目的
CO2排出削減に貢献する発電所の視察を通して知見を広げる
視察日時
平成21年12月2日(水曜) 8:50〜19:00
参加者
EPOC会員企業(49名)
視察地
静岡県御前崎市 (1)御前崎風力発電所、(2)浜岡原子力発電所
視察箇所
- 御前崎風力発電所
- 概要
中部電力株式会社が現在建設工事中の風力発電所。今年度中に一期工事分6,000kW (2,000kW級×3基)が運転開始予定(平成22年2月営業運転開始)。同地において、平成22年度までに22,000kWの風力発電所が完成予定。
風力エネルギーは、再生可能エネルギーのひとつである。地球環境の保全、エネルギーセキュリティの確保、経済成長の維持を同時に実現可能なエネルギー源として、世界各地で普及が進んでいる。その風力発電の設置現場を視察した。
- 主な視察内容
- 御前崎市佐倉地区No.2風車
- 風力発電所の工事現場を視察し、風車の設置工事、基礎工事の状態などを見学した。今回採用されているダウンウィンド水平軸型風車の特徴、輸送方法などについて説明を受けた。
視察前日に組み立て完了したNo.2風車
風車仕様 |
出力 |
2,000kW |
タワー高さ |
80m |
ブレード直径 |
80m |
風車種類 |
ダウンウィンド水平軸型 |
耐風速 |
最大瞬間風速70m/s |
- 所感
・実際の風力設備の大きさを実感でき、風車の構造、工事の概要等についても情報が得られた。
・台風の影響で搬入道路が壊れ、基礎のみの見学予定であったが、見学前日4時に組立完了に努力いただいた風力開発Gのスタッフの方をはじめ、中部電力殿に感謝申し上げます。
・当日は、風力発電に関する質問(ダウンフィールドのプロペラ、低騒音、安定供給など)が多数あり、30分の見学時間では足りない状況でした。
- 浜岡原子力発電所
- 概要
中部電力株式会社の保有する唯一の原子力発電所(出力約350万kW)。
地球資源や環境問題を見据え、将来にわたり安定してエネルギーを確保していくためには、発電の際にCO2を出さずに、また、リサイクル可能なウラン燃料を使用する原子力発電所の推進が重要である。
- 主な視察内容
- ●浜岡原子力発電所の概要説明:
- (1)概要 (2)耐震安全性 (3)リプレース計画等 (4)平成21年8月11日駿河湾の地震発生後の状況ついて (5)プルサーマル計画について
- ●浜岡原子力館:
- 実物大の原子炉模型の見学では、原子力発電のしくみや5重の壁に守られた構造を、展望台(海抜62m)では、発電所・遠州灘(取水塔・放水口)・御前崎市の景色を一望しました。
- ●原子力発電所5号機:
- 5号機ギャラリーより、タービン、中央制御室、原子炉を見学。
原子炉形式:改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)
電気出力 :126.7万kW
浜岡原子力発電所内の原子力館玄関
- 所感(アンケートから)
「アンケートまとめ」
・CO2排出、温暖化防止には有効な原子力発電の安全性への理解を深めることができた。
・原子力発電が如何に、CO2を出さずに効率が良いエネルギーだということを再認識できた。
・公共性の高い発電所の稼動までの年月の長さにびっくりしたが、なかでも安全性、フェイルセフ、閉じ込める、などの除危険の考え方は、環境経営に役立つ。