2022年度 環境経営分科会
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開催日時 | : | 2022年12月8日(木) 14:30~17:00 |
開催方式 | : | ハイブリット(会場/マザックアートプラザ+Web会議)、見逃し配信 |
参加者 | : | 計465名(会場32名+Web会議67名+見逃し配信366名) |
<プログラム>
(講演Ⅰ)
「カーボンニュートラル実現に向けて」
経済産業省中部経済産業局 資源エネルギー環境部
カーボンニュートラル推進室 参事官(カーボンニュートラル推進担当)
木山 雅之 氏
(講演Ⅱ)
「カーボン・クレジット市場実証事業及びJPXの環境関連商品について」
株式会社東京証券取引所 カーボン・クレジット市場整備室長
松尾 琢己 氏
<概要>
(講演Ⅰ)
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、産業政策や支援策を展開されている経済産業省の中部経済産業局より木山雅之様にご説明頂きました。
- 気候変動における世界の動向
- 2015年に採択されたパリ協定の「2℃より十分低く保つ(2℃目標)」「1.5℃に押さえる努力を追求(努力目標)」により、各国では2050年または2060年のカーボンニュートラルおよび2020年目標に向けて気候変動政策を進めている。その後も2021年COP26のグラスゴー気候合意や、2022年COP27のシャルム・エル・シェイク実施計画に基づき各国は取り組み中。
- カーボンニュートラルに係る各種動向
- 民間では気候関連の情報開示に関するグローバルな要請に基づき、TCFD開示の義務化・強化が進む。
- カーボンプライシングとして、炭素税や排出量取引、また実証を開始したGXリーグが有る。
- 自社製品のサプライチェーン上のCO2排出量をLCA観点から算定したカーボンフットプリント(CFP)を行う事によりCO2排出削減に取り組むべき工程を把握できる。
- サーキュラー・エコノミー(循環経済)への転換により、従来の一方通行の経済から、資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化を通じ付加価値の最大化を図る事が必要。
- サプライチェーンでもCO2排出量をScope1~3として公開が求められる等、グローバル企業のみならず、中小企業を含むサプライチェーン全体での対応が必要。
- カーボンニュートラルに係る政策動向
- 2020年10月の2050年カーボンニュートラル表明以降のグリーン成長戦略、クリーンエネルギー戦略の策定・具体化検討を実施。後者では脱炭素を経済の成長・発展につなげるための産業のグリーントランスフォーメーション(GX)整備にも取り組む。
- 予算関係
- 令和5年度の経済産業省政策の重点としての「持続的な成長を可能とする経済社会の実現」として「経済社会課題解決への大胆な官民投資」の1つに「炭素中立社会の実現」も掲げ、中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金や省エネルギー・需要構造転換支援事業費補助金等も設けている。
講師の木山氏 |
(講演Ⅱ)
GXリーグ基本構想を踏まえ、2022年度に経済産業省による委託事業として実施する「カーボン・クレジット市場」実証事業を始め、JPX(日本取引所グループ)の環境関連商品についてご紹介頂きました。
- JPX 中期経営計画2024
- 長期ビジョンは2030年に向け、証券市場の運営(バリューチェーン)に係るカーボンニュートラルを目指す。
- 中期経営計画ではJPX総研等の新たな枠組みも活用してグローバルな総合金融・情報プラットフォームの基盤を築くために積極的に取り組む。
- 東証「カーボン・クレジット市場(排出量取引市場)」実証事業
- 2022年2月にカーボンプライシングの観点から経済産業省より示された「GXリーグ基本構想」の一部に、自主的な排出削減目標の設定及び目標達成のための排出量取引の仕組みとともに、その排出量取引を自主的に行う場として「カーボン・クレジット市場」の創設が掲げられている。
- これに基づき、2022年度に経済産業省からの受託事業として、東京証券取引所はカーボン・クレジット市場の技術的実証事業を担当する事となった。実施概要は次のとおり。
- 東証が運営する金融商品取引市場とは異なる市場
- 実証事業の売買は、2022年9月22日から2023年1月31日までの予定
- 売買は次の2種類のクレジットが対象
- (1)プロジェクト由来クレジット(J-クレジット)
- (2)GXリーグにおける企業由来の超過削減枠(GXリーグ超過削減枠)
- 但し、前述期間で売買・決済を行うのは(1)であり、(2)は実際の決済を伴わないシミュレーション売買
- 市場で売買を行うためには「実証参加者」として東証に登録要
- 投資家へのESG関連商品・仕組みの提供
- JPXが提供するESG関連商品・仕組み
株価指数、ETF、インフラファンド、プロボンド、テーマ銘柄、情報プラットフォーム
講師の松尾氏 |
以上