2021年度 資源循環分科会
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開催日時 | : | 2022年3月17日(木)17:00~2022年5月20日(金)17:00 |
開催場所 | : | YouTube EPOCチャンネル |
参加者 | : | 延べ546名 |
プログラム
(1)講演
「資源循環による脱炭素ポテンシャル」
講師:(株)ウェイストボックス 代表取締役 鈴木 修一郎 氏
(2)事例発表
- 「アルミの水平リサイクルによるサーキュラーエコノミーの実現と脱炭素への貢献」
ハリタ金属株式会社 代表取締役 張田 真 氏 - 「廃油の燃料リサイクル・マテリアルリサイクルによる脱炭素への貢献」
株式会社ダイセキ 取締役副社長 山本 哲也 氏 - 「廃プラの固形燃料(RPF)技術等による脱炭素への貢献」
加山興業株式会社 代表取締役 加山 順一郎 氏
講演
「資源循環による脱炭素ポテンシャル」
株式会社ウェイストボックス 代表取締役 鈴木 修一郎 氏
【講演要約】
今日のカーボンニュートラルに向けた国際社会の動向や国際基準での炭素会計、SBT(Science Based Targets)のネットゼロ基準、カーボンオフセットについて、事業内容を含め説明いただきました。
また資源循環による脱炭素ポテンシャルは確実に存在しますがスコープ3において唯一の値をもって数値化することは困難であることを、その理由と共に解説いただきました。数値化は困難な一方で急速な脱炭素化の動きは化石燃料及び化石燃料使用を前提とした資源の急激な価格上昇を招くため資源循環は最重要テーマであり、スコープ3の可視化や削減方法についても事例を踏まえ紹介いただきました。今後は企業間の取引の中で排出量の見える化をしていく必要があり、ルールはまだ明確に決まっていない中で再現性が可能であれば主張できる点、現在サプライヤーエンゲージメントで相互に排出量の開示のやり取りが始まり、将来集約され、扱いやすいものになり得る展望をお話しいただきました。
事例紹介
- 「アルミの水平リサイクルによるサーキュラーエコノミーの実現と脱炭素への貢献」
ハリタ金属株式会社 代表取締役 張田 真 氏
【概要】
新幹線の廃棄車両を新規製造される新幹線車両部材への原料を供給する世界初アルミ水平リサイクルが実現したCEの戦略的事例をご紹介いただきました。また今後も多様なパターンに応用展開を取り組むことによって地域からSDGs時代の世界標準を作っていく展望を説明いただきました。
アルミリサイクルにおけるGHG排出データとフューチャーシナリオを各社NDA締結によりデータを開示する企業連携とデジタル化による中部地域製造業の資源循環モデル事業について説明いただき、可視化可能な産業エリアを先んじて目指すことで選ばれる地域を目指していきたいと展望を共有いただきました。 - 「廃油の燃料リサイクル・マテリアルリサイクルによる脱炭素への貢献」
株式会社ダイセキ 取締役副社長 山本 哲也 氏
【概要】
廃棄物排出企業、自社、リサイクル製品の受入企業の3者で脱炭素のメリットの共有が可能な産業廃棄物リサイクル事業における、原料リサイクル、燃料リサイクルによる脱炭素への貢献についてご紹介いただきました。「廃油」リサイクル処理による温室効果ガス排出量及び化石燃料使用量削減について、サーキュラーエコノミーとマテリアルリサイクル(CO2排出量の少ない二次原料)の需要、期待について事業内容と共に説明いただきました。脱炭素に向けサプライチェーン排出で算定カテゴリーが多いことを削減の可能性が多いととらえ、カテゴリー5「廃棄物処理」の排出量削減はエネルギー初期投資が不要な代替廃棄物の切り替えで実現可能であり、「無理なく」「すぐ」できることは「すぐ」取り組む必要性についてご説明いただきました。 - 「廃プラの固形燃料(RPF)技術等による脱炭素への貢献」
加山興業株式会社 代表取締役 加山 順一郎 氏
【概要】
主に産業廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及び廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料(RPF:石炭代替燃料)による脱炭素への貢献、取り組みについてご紹介いただきました。RPF燃料は石炭代替燃料として使用することはCO2排出の低減と枯渇性資源の節約、埋立処分場の延命などの相乗効果も含め、地球にとても親和的な施策であり、そのCO2削減効果についても具体的な根拠数値とともにご説明いただきました。外国人技能実習制度がRPF製造の職種として2021年1月に追加されたことで日本だけではなく、国境を越えた循環資源の推進へ協力していきたいと今後の展望を共有していただきました。
ウェイストボックス株式会社 鈴木氏 |
ハリタ金属株式会社 張田氏 |
株式会社ダイセキ 山本氏 | 加山興業株式会社 加山氏 |