2017年度第1回EPOC環境経営先進セミナー
「注目企業の環境経営事例(ブリヂストン、来ハトメ工業)」
概要
社会ニーズの変化に対応するため、企業ではさまざまな環境経営の取組みが行われています。本セミナーでは「注目企業の環境経営事例」と題して2つの講演を開催しました。
講演Iでは、グローバル企業として環境経営を先進的に取り組まれているブリヂストン様からご講演いただきました。製品ライフサイクルでの環境負荷低減への取組みが、CDPなどの指標で高い評価を受けておられ、社会課題解決と事業活動のリンクを意識されていると感じました。
講演IIでは、電子部品加工メーカーの来ハトメ工業様からご講演いただきました。従業員一人ひとりが省エネ・省資源の役割を担って主体的に活動されており、その取り組みが評価されて、環境コミュニケーション大賞(環境省など共催)では毎年のように受賞されています。環境活動についてはゼロからの取り組みでしたが、EA21をうまく活用しながら従業員の意識を変えられたと感じました。
参加者からは、2社それぞれの規模に合った環境活動の話を聞けて有意義だったというご意見をいただきました。
日時:平成29年9月7日(木曜日) 14時〜17時
会場:マザックアートプラザ4F会議室(名古屋市東区葵1-19-30)
参加者:64名
<プログラム>
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- 14時5分〜15時25分
- 【講演I】
「ブリヂストンの環境経営について」
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【講師】
稲継 明宏 氏(株式会社ブリヂストン CSR・環境戦略企画推進部長)
【講演概要】
本講演では、世界中に生産拠点をもつグローバル企業ブリヂストングループの環境経営全般について解説いただきました。
ブリヂストンがCSR・環境経営に取り組みを強化している理由として、パリ協定とSDGsを背景にしてESGへの取り組みの重要性が増していることを挙げられました。特に自動車タイヤ業界として同社が世界へ与える影響を認識されていることを強調されました。ブリヂストンは “Our Way to Serve” のスローガンが意味する「人々がより快適に移動し、生活し、働きそして楽しむこと」を実現するために、Mobility、People、Environmentの3つの面で事業とリンクした活動をされています。
また、環境宣言では、「自然共生社会」「循環型社会」「低炭素社会」の実現に向けて取り組むことを明記しており、それに基づいて2020年中期計画、2050年長期計画を策定されました。自然共生、資源循環、低炭素の3つのカテゴリーで目標を設定し、方策も提示されています。具体的には、原料使用量の低減、タイヤリサイクルサービス、低燃費タイヤなど取り組まれており、製品ライフサイクルでの環境貢献をアピールされています。今後もSDGsの各課題に対応して環境・CRS活動に取り組まれ、ものつくりだけでなく顧客や社会に対するソリューションプロバイダーとして貢献されるとのことです。
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- 15時40分〜16時55分
- 【講演II】
「ドシロウト集団、かく変革せり〜EA21への取り組み〜」
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【講師】
石原 隆雅 氏(来ハトメ工業株式会社 管理部)
【講演概要】
来ハトメ工業は、1946年ハトメ・ホックの仕入れ販売業として創業し、1969年から製造も開始し、近年はカーナビなどの車載電子部品のAlコンデンサーケースの加工をメインに手がけている埼玉県の中小企業です。
約10年前までは環境への取り組みにはほとんど無関心でしたが、顧客要求によりISO認証取得を検討することになりました。しかし、折からのリーマンショックの影響もあり、コスト面の事情などからISOでなくエコアクション21(EA21)認証取得へ切り替えることになり、環境活動がスタートしました。最初は社内の理解がなかなか得られませんでしたが、審査員のアドバイスを受け、さまざまな失敗を繰り返しながら、レベルUPし、環境レポートを評価する「環境コミュニケーション大賞」(環境省などが共催)の大賞を受賞するまでになりました。このことで、社内のモチベーションがさらに向上し、現在は全従業員が各自環境改善テーマを担当し、自主的に取り組んでいるとのことです。まさにEA21をうまく活用しながら、環境活動を実践された成功例だと思います。
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