セミナー

EPOC有害化学物質セミナー
「化学物質管理の最新動向―REACH規則への対応を中心として」


概要

  欧州をはじめとする各国で新たな化学物質政策が展開される中、欧州の化学品規則「REACH」が昨年6月に施行されました。これは欧州における化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限の制度で、既存の指令・規制に代わる欧州化学品政策の新たな基本規則です。EU(欧州連合)域内で化学品や最終製品を製造・輸入する事業者に様々な義務を課しており、日本のサプライチェーン全体が対応を迫られています。こうした動向を踏まえ、「化学物質管理の最新動向―REACH規則への対応を中心としてー」を開催しました。セミナーの内容としては、REACH規則への対応の実践内容として、登録業務に関わる必要知識と、アーティクルマネージメント推進協議会(JAMP)で行われているREACH規則に対する具体的な取り組みの状況をご講演いただきました。参加者は総勢116名と、多くの方にご参加いただき、REACHに対する関心の高さが伺えました。


開催日:平成20年 1月 18日(金)14:30〜18:30
会 場:産業技術記念館 大ホール(名古屋市西区則武新町4丁目1−35)
主 催:環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)有害化学物質分科会
共 催:中部経済産業局、エコプロネット

<プログラム>

    • 14:30〜14:35
    • 主催者開会挨拶

    環境パートナーシップ・CLUB 有害化学物質分科会長
    ブラザー工業株式会社環境推進部長 小島靖方氏

    • 14:35〜15:45
    • 【講演1】REACH規制への対応の実践に向けて〜登録を中心に〜
    林譲氏

    ○講師:社団法人産業環境管理協会
      シニアコンサルタント 林譲氏

    【講演概要】

    1. REACH規則の基礎
    2. 予備登録
    3. 登録
    4. 化学品安全評価(CSA)と化学品安全報告書(CSR)
    5. 成形品の義務

      REACH規則は本年6月から予備登録の受付を開始し本格施行の段階に入ります。このような状況の中、講演では予備登録や本登録に向けてのスケジュールや企業対応方法、また高懸念物質・化学品安全評価・化学品安全報告書・暴露シナリオなどの解説、更にはアーティクルの定義や必要義務事項について、企業の対応も含め、詳しく解説して頂きました。

       自社が規制を受けるのか?登録は?アーティクルなのか?高懸念物質なのか?などREACH規則とその実践対応について、最新動向も合わせ紹介して頂き、REACH対応を迫られる企業にとって、大変役立つ講演でした。

    • 15:45〜15:55
    • 質疑応答
    • 15:55〜16:05
    • 休憩
    • 16:05〜17:15
    • 【講演2】 JAMPの活動状況と今後の展望
    片岡功氏

    ○講師:株式会社村田製作所
      市場渉外部 調査役 片岡功氏

    【講演概要】

    1. JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)とは?
    2. JAMP設立の経緯
    3. JAMPのミッション
    4. JAMPの活動目的とREACHの関係
    5. 製品含有化学物質の情報授受の現状
    6. 課題
    7. JAMPの具体的取り組み
    8. JAMPの提案
    9. 村田製作所のREACH規則への対応状況

       各企業や団体にとってのREACH対応に対する義務と懸念の紹介をはじめ、サプライチェーンにおける化学物質の適切な管理と円滑な情報開示の促進を目的としたアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)について最新の活動状況を解説して頂きました。

       また、村田製作所におけるREACH規則への最新の対応状況を紹介して頂き、企業対応の具体例として大変参考になる講演でした。

    • 17:15〜17:25
    • 質疑応答
    • 17:25〜17:30
    • 共催者閉会挨拶

    ○中部経済産業局 資源エネルギー環境部 調査官 竹中俊昭氏

    • 17:40〜18:30
    • 交流会(名刺交換会)

      講演会終了後、主催者、受講者および講師を交えて交流会を開催しました。交流会には約40名が参加し、参加者相互の名刺交換が積極的に行われる中、講師の林先生、片岡先生への質問が途切れることなく続きました。本年6月よりREACH規制の予備登録が始まることもあり、各業界での動向や、実際の登録業務など各社の抱える具体的な質問が多く、REACH規制への対応が大きな課題として取組まれていることが伺えました。