セミナー

EPOCエコデザイン講座 第3回
****「思いだそう!粋な生活、創ろう!粋なエコデザイン」****

 第3回エコデザイン講座は「思いだそう!粋な生活、創ろう!粋なエコデザイン」と題し、エコマインド醸成という視点での講演と、エコデザイン事例を紹介したパネルディスカッションを実施しました。
講演では、国内外においてエコデザインの第一人者である株式会社オープンハウス代表取締役の益田文和氏を講師として迎え、無駄なく必要十分なものやことでさっぱりと生活するという「粋(いき)な生活」を社会文化的な価値感として醸成させることがサステナブルな社会を実現させるのに必要で、特に企業に求められることについて話していただきました。
パネルディスカッションでは、TBR株式会社代表取締役社長の福井宏海氏と株式会社川本製作所岡崎工場技術部部長の中西正浩氏よりそれぞれ水にまつわる自社のエコデザイン事例を紹介いただき、益田氏のコーディネイトにより会場含めた意見交換を行いました。そして益田氏よりそれぞれの事例について「粋」の視点での解説をしていただきました。
60名と多くの方に参加していただき、「粋という新たなエコデザインの視点が発見でき有意義であった」という意見があるなど、大変好評でした。

日   時 平成19年2月28日(水) 14:00〜17:00
会   場 安保ホール3F  301号室
(名古屋市中村区名駅3丁目15-9)
主   催 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC) 環境経営分科会

【プログラム】
14:00-14:05 主催者挨拶
環境パートナーシップ・CLUB 環境経営分科会 分科会長
(株式会社INAX 環境戦略部 部長) 久留島 豊一
14:05-15:25

講演「エコデザインで粋な未来が見えてくる」
株式会社オープンハウス 代表取締役
LLPエコデザイン研究所 代表
東京造形大学デザイン学科 教授  益田 文和氏

益田 文和氏の講演の様子
【講演概要】
世界中で最もエコデザインが進んでいるのは日本であるが、残念ながらあまり知られていない。エコデザイン=儲からないという図式は決してあてはまらなく、大きなビジネスチャンスがある。
サステナブルな社会を実現するには、必要十分なものやことでさっぱりと「粋(いき)」に生活することが大切。そして、産業においても「粋」という理屈でない良さを伝えて発展していかねばならない。
つくる人(企業)も使う人(消費者)も「粋」の視点により本音で合意形成できるエコデザインを是非実現してほしい。
15:25〜15:40

・・・・・・・・・・・・・・ 休憩 ・・・・・・・・・・・・・・

15:40〜16:50

パネルディスカッション「生命の水を活かす技術の粋」
[コーディネイター]  益田 文和氏 
[パネラー]エコデザイン事例紹介 

「伝統産業“組紐”からできた環境浄化商品 」
TBR株式会社 代表取締役社長  福井 宏海氏

福井 宏海氏の講演の様子

 かつては漁業で用いる漁網の生産を行い漁業などの一次産業での関わりが深いが、近年の河川や海洋汚染を憂い、漁網の生産で培ってきた技術を応用し、バイオコードをはじめ、汚れた水を浄化する商品を開発販売している。生命において最も大切で、未来まで永遠に循環しつづける水を通して循環型社会構築に役立ちたい。

「ポンプの歴史とエコデザインの歩み」
株式会社川本製作所 岡崎工場 技術部 部長  中西 正浩氏

中西 正浩氏の講演の様子

 生命に必要不可欠な水を送るポンプは、身近なところで毎日使われている。そこで省エネタイプのポンプの提供など、できることや小さなことからの積み重ねによりエコデザインに取り組んできた。
大切な水を、クリーンに、エコに配慮し、更に快適に使っていただくようなポンプを提供しつづけていきたい。

【コーディネイターまとめ】
いずれも、生命にとって最も大切である水に関わるエコデザイン事例であり、ごく自然な形でエコデザインに真摯に取り組んでおられ感銘した。
20世紀は、資源消費などにおいて、あるところに大きくかたよった社会構造となっていることにより地球環境問題を引き起こしている。水という全ての人が必要とするものは均等に無駄なく分配されるべきものであり、今回紹介していただいたエコデザインはこれを実現するために必要な手段である。
エコデザインの原則は、多様性である。いろいろなものや仕組みから、更にいろいろなものができるモノ作りをローカルにできる産業が、楽しい世の中を創りあげることにつながる。

16:50〜17:00 主催者閉会挨拶、アンケート記入・回収