交流会

2024愛知環境賞表彰式実施報告

【はじめに】

EPOCでは、共催・運営委託として携わっている『愛知環境賞』表彰式を開催致しました。
『愛知環境賞』とは、資源循環や環境負荷の低減を目的とした、先駆的で効果的な<技術・事業・活動・教育>の事例を、企業、団体及び県民から募集し、優れた事例に対する表彰を行うとともに、広く紹介することによって、新しい生産スタイルや生活スタイルを文化として社会に根付かせ、資源循環型社会の形成を促進するものです。
当日は、愛知環境賞表彰式、「企業におけるサーキュラーエコノミービジネスの構築方針と課題について」と題した講演会、交流会が開催され、受賞者をはじめその他参加者の方々にご交流頂きました。

日時
:2024年2月14日(水) 15:15~19:00
会場
:ホテルメルパルク名古屋 2階 「瑞雲」
主催
:愛知県
共催
:環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)、中日新聞社
後援
:名古屋市、経済産業省中部経済産業局、環境省中部地方環境事務所、
 一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所

【プログラム】

    • 15:15~15:20

    主催者挨拶
    愛知県知事 大村 秀章


    • 15:20~16:00

    「2024愛知環境賞」表彰式

    【金賞】

    受賞者

    株式会社シーテック

    テーマ

    ~鉄塔保守から治山保全へ~
     KODOBOKU技術と災害予測技術の開発

    受賞のポイント

    豪雨災害による山間地の危険予測を行うとともに、現地素材を活用した環境負荷の小さい治山技術による最適な敷地保全を実現させたことは、森林環境保全と脱炭素社会の実現に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銀賞】

    受賞者

    豊田鉃工株式会社
     株式会社Comodo LABO
     よりあい工房ばんどり

    テーマ

    “地域とつなぐ”“未来へつなぐ”
     トヨテツの森での自然共生プログラムの推進

    受賞のポイント

    企業の森づくりを活用して地域の子ども達への環境教育や自然共生プログラムの実践など地域と連携して環境保全活動の推進に取り組んだことは、環境活動の推進による持続可能な社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銀賞】

    受賞者

    フルハシEPO株式会社

    テーマ

    木質バイオマスのカスケードリサイクルにおける独創的技術体系による産業化と業界の牽引

    受賞のポイント

    木質バイオマスリサイクル産業を牽引し、廃材利用の拡大を図るとともに、バイオマス発電への参画など環境を総合的に捉え、地球環境保全に努めてきたことは、持続可能な社会の実現に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銅賞】

    受賞者

    一般社団法人食品リサイクル推進協議会
     岩田食品株式会社

    テーマ

    食品工場における食品残さのオンサイト乾燥飼料化を起点とする県内事業者の連携による持続可能な食品循環システムの構築

    受賞のポイント

    オンサイトでの再資源化と事業者連携による地域還元型の循環システムの構築は、エコフィードの生産性向上と食品リサイクルループによる循環型社会及び脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【中日新聞社賞】

    受賞者

    岡崎製材株式会社

    テーマ

    木の端材を活用した木育活動“HAZAI®project”

    受賞のポイント

    廃棄処分となっていた端材に新たな価値を吹き込むとともに端材を活用した木育イベントを実践し「木」の魅力を浸透させたことは、木製品の普及につながるだけでなく、カーボンニュートラルの実現による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【名古屋市長賞】

    受賞者

    株式会社One Chemical Company

    テーマ

    半導体製造などのめっき工程で発生する使用済みカートリッジフィルターの再資源化技術の確立

    受賞のポイント

    めっき工程で発生する使用済みカートリッジフィルターを再資源化する国内初の技術とシステムは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会と脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    株式会社渥美フーズ

    テーマ

    江戸時代からヒントを得た資源循環の仕組み
     ~自社のスーパーや飲食店の生ごみを活用した堆肥化・養鶏事業~

    受賞のポイント

    スーパーマーケット・レストランで食品廃棄物の堆肥化や飼料化だけでなく、自社で完結する独自の食品リサイクルループを構築したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    グリーンサイクル株式会社

    テーマ

    使用済み家電プラスチックの高純度選別プロセスの構築による国内資源循環システムの向上

    受賞のポイント

    プラスチック高純度選別プロセスを構築することで、使用済み家電プラスチックから用途の多いポリプロピレンを高純度で回収したことは、プラスチックの国内資源循環量の向上とプラスチック資源投入量の削減に寄与し、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    株式会社そうぎょう

    テーマ

    排出される金属切屑の量や大きさに応じてカスタマイズできる独自の高精度脱油システム

    受賞のポイント

    金属加工業者にて排出される様々な量や大きさの金属切屑と油の混合物を分離し、分別した油をリユース資源として活用できる高精度脱油システムを開発したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    株式会社ティー・エー・エス

    テーマ

    自動車アフターマーケット分野における循環型ビジネスの展開

    受賞のポイント

    国内初となるディーゼル車の排ガスフィルターの燃焼再生技術の導入は、高品質なリビルド部品の生産という新たな循環型ビジネスを創出するとともに、サーキュラーエコノミーへの転換による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    手羽先サミット®実行委員会

    テーマ

    食のイベント「手羽先サミット®」におけるごみ削減・リサイクルの推進

    受賞のポイント

    食のイベントにおいて、出展者、協力会社・団体と一体となってごみの削減・リサイクルを推進するとともに、インフルエンサーによる環境学習プログラムの普及による環境意識の向上を図る取組は、持続可能な社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    トーエイ株式会社

    テーマ

    各種廃棄物を高いリサイクル技術により再資源化することによる循環ビジネスの創出

    受賞のポイント

    使用済み家電プラスチックを材質別に選別し、再び原料を製造する設備の開発は、高いリサイクル技術による各種材料の再資源化を促し、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    豊島株式会社

    テーマ

    原料から販売までを手掛ける商社の強みを活かした持続可能なライフスタイル提案

    受賞のポイント

    総合繊維商社として、原料から製品まで一貫して取り扱う強みを生かし、持続可能な繊維製品を多くの団体と連携しながら消費者に伝える仕組みを作り、持続可能な社会と生産システムの共創を実現させたことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    ホーメックス株式会社

    テーマ

    ステークホルダーと連携して取り組むSDGs目標達成への挑戦

    受賞のポイント

    SDGs全項目にわたって企業活動と連動させ、顧客、地域社会など様々なステークホルダーと共に取り組んだことは、環境活動の推進による持続可能な社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    三井屋工業株式会社

    テーマ

    独自の処理方法と材料配合による複合プラスチック端材の工程内リサイクルシステムの確立

    受賞のポイント

    独自の処理方法と配合技術により、プレス成形時に発生する端材から独自の方法で再資源化し、要求性能に応じた製品化を実現したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。


    • 16:15~16:20

    主催者挨拶
    EPOC会長 小池 利和(ブラザー工業㈱取締役会長)


    • 16:20~17:20

    【講演会】
    「企業におけるサーキュラーエコノミービジネスの構築方針と課題について」
    東京大学 大学院工学系研究科 人工物工学研究センター 教授 梅田 靖氏


    (講演概要)

    企業におけるサーキュラーエコノミービジネスの構築方針と課題についてご講演いただきました。
     冒頭でEUのサーキュラーエコノミー(CE)の狙いは資源循環を社会に定着させる流れだけでなく従来の資本主義経済下ではない新しい循環型社会が必要となることを学びました。EUでのCEはリサイクルに長寿命化やメンテナンス、アップグレードを加えるだけでなくシェアリングやサブスクなどのビジネスモデルの転換も含めて考えられ、最終的な目標は循環が当たり前に成り立つ経済や社会を作ることであると教えていただきました。
     日本が3Rの循環型社会から次のステップに進むにはCEやカーボンニュートラル、ネーチャーポジティブが経済とのデカップリングを実現して、持続可能な社会を目指さなければいけないこともわかりやすく説明していただきました。
     企業も今までの良い「もの」を大量に作る時代から、ライフサイクル設計やビジネスモデルを考え、デジタルを活用した組み合わせで「価値」を提供し、多様なビジネスモデルを生み出すことが必要となり、それがサステナビリティへの貢献となることを理解しました。
     最後にサステナビリティとデジタル革命が今後のものづくりの方向性を決める最重要要因となることや、取り組むべきポイントを提言いただき、たいへん有意義な講演会となりました。


    • 17:30~19:00

    【EPOC交流会】

    コロナ禍以来、久しぶりの開催となりましたが、交流会では、愛知環境賞受賞企業・団体やEPOC役員をはじめとした講演会参加者にご参加いただきました。各所で参加者同士の話も弾み、受賞事例の取組みついて深くご理解いただくと共に、受賞者及び参加者の交流を深められました。

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