「第31回EPOC意見交換会 ~会員企業のレベルアップ・相互交流~」報告
【概要】EPOC会員企業の環境への取り組みについての情報共有により、会員の更なるレベルアップと会員相互の意見交換の活性化を図るために「第31回EPOC意見交換会」を開催しました。 今回は、株式会社アイシン 環境部 部長 恒川 智行 氏をお招きし、「アイシングループ 環境の取り組み」をテーマにご講演いただきました。 講演は最初に会社概要をご説明いただき、その後5ヶ年単位の「環境取り組みプラン」について「脱炭素」、「循環型」、「自然共生」と「全テーマ共通の基盤活動」の4つの軸でご講演いただきました。最初の「全テーマ共通の基盤活動」ではアイシン様のすべての従業員が環境を意識して行動できるように「環境の鉄則」を作成するだけではなく、「環境の鉄則解説集」を準備して心の部分まで伝えることや、職場のリスクの洗い出しを行うために環境KYT(危険予知トレーニング)を実践するなど、「環境の鉄則」に触れて考える時間を増やすことで一つ一つの行動が当たり前となるように浸透させていくことの大切さを教えていただきました。 「脱炭素」ではカーボンニュートラル実現について生産と製品・サービスの2軸から説明していただきました。アイシン様では2030年にはCO2排出量を50%削減(2019年度比)、2035年にはカーボンニュートラルの実現を目指しています。生産領域では省エネはエネルギーを減らす唯一の手段であり、エネルギー高の対策にもなるため、工場での様々な取り組みの中から地道に最適条件を洗い出す活動を浸透させており、カラクリ機構の活用などは映像も交えてわかりやすく説明していただきました。 また、サプライチェーン全体でCO2を削減するためには仕入先様との連携が不可欠となります。仕入先様110社で構成する協力会に働きかけて5つのワーキンググループを立ち上げ、アイシン様の工場見学会やアイシン様や仕入先様の事例を展示した展示会を開催するなど仕入先様の理解や意識を改善する取組みについて教えていただきました。製品・サービス領域では燃料電池や乗り合いサービスをご紹介いただき地域と密着した活動を推進しながら地域のカーボンニュートラルに貢献していることをご説明いただきました。 次に「循環型」への取り組みとして、工場で再資源化できないものを再資源化するためのエコセンターや食品残渣を有効活用している社員食堂の取組み以外に、売店でのレジ袋の廃止や分別ルールの徹底など従業員の皆さんへの意識付けとして実施している身近な取組みもご紹介いただき、とても参考になりました。 最後に「自然共生」では、生産活動には水の保全がかかせないため、各生産拠点で現地のNPOと連携して自然共生活動を実施していることや、継続的に取り組むための生物多様性ガイドラインを設定していることをご説明いただきました。講演の締めのお言葉の「持続可能な社会への貢献は活動を愚直に積み上げていくことが重要」が、強く印象に残り、アイシングループ様の活動の原点を感じることができました。 講演後の意見交換では、事前に参加者から寄せられた多くの質問に対して、当日会場で講演を聴講した参加者から質問を受け付ける時間が無くなるほど丁寧に、そして解り易くご回答いただき、大変有意義な意見交換会となりました。
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