交流会

2023愛知環境賞表彰式実施報告

【はじめに】

EPOCでは、共催・運営委託として携わっている『愛知環境賞』表彰式を開催致いたしました。
『愛知環境賞』とは、資源循環や環境負荷の低減を目的とした、先駆的で効果的な<技術・事業・活動・教育>の事例を、企業、団体及び県民から募集し、優れた事例に対する表彰を行うとともに、広く紹介することによって、新しい生産スタイルや生活スタイルを文化として社会に根付かせ、資源循環型社会の形成を促進するものです。
当日は、愛知環境賞表彰式、「気候危機と企業経営」と題した講演会、受賞事例のパネル展示が開催され、受賞者をはじめその他参加者の方々にご交流頂きました。

日時
:2023年2月9日(木) 15:15~18:50
会場
:ホテルメルパルク名古屋 2階 「瑞雲」
主催
:愛知県
共催
:環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)、中日新聞社
後援
:名古屋市、経済産業省中部経済産業局、環境省中部地方環境事務所、
 一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所

【プログラム】

    • 15:15~15:20

    開会挨拶
    EPOC会長 小池 利和(ブラザー工業㈱取締役会長)


    • 15:20~16:20

    【講演会】
    「気候危機と企業経営」
    (公財)世界自然保護基金ジャパン 代表理事・会長
    国連環境計画・金融イニシアチブ 特別顧問 末吉 竹二郎氏


    (講演概要)

    GX競争時代における気候危機と企業経営についてご講演いただきました。
    冒頭で気候変動が危機的な状況となり、世界は危機感と覚悟を持ってCO2を出さない社会や経済を目指すことを決意し、その手段としてGXに取り組み始めたことをご説明いただきました。
    そしてGXは、脱炭素と経済成長を同時に達成しなければいけない使命を帯びて、20世紀型の経済モデルから21世紀型の経済モデルに切り替わるサバイバルゲームであることを海外の事例や金融市場の動向も含めてわかりやすく解説していただきました。
    生物多様性の喪失についてもWWFのレポートやレッドリストから具体的な数字を示して、2030年までにネイチャーポジティブに向かう必要があることをご説明いただきました。
    最後に日本企業が世界のルール下で競争して勝ち残るためには、強い危機感を持って「破壊」を恐れず「創造」することが必要であると提言いただき、たいへん有意義な講演会となりました。


    • 16:35~16:40

    主催者挨拶
    愛知県知事 大村 秀章


    • 16:40~17:20

    「2023愛知環境賞」表彰式

    【金賞】

    受賞者

    東海旅客鉄道株式会社

    テーマ

    新型ハイブリッドシステムを搭載した次世代特急車両「HC85系」の運行開始による環境負荷低減

    受賞のポイント

    大容量の蓄電池を付加した高度な充放電制御システムを開発し、鉄道走行に必要なエンジン台数を削減することで省エネルギー化を可能とした国内最速の新型ハイブリッド車両の実用化に成功したことは、カーボンニュートラルの実現による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銀賞】

    受賞者

    大島造園土木株式会社

    テーマ

    みどり豊かなまちづくりを実現する先駆的な緑化技術

    受賞のポイント

    国内初の緑化技術や業界初の生育基盤整備技術を開発し、都市の様々な空間に緑地を創出するとともに、長年にわたり造園緑化業界を牽引したことは、生物多様性保全による自然共生社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銀賞】

    受賞者

    株式会社ハーツ
     株式会社エルメティア

    テーマ

    昆虫養殖で次世代型資源循環ビジネス「食品廃棄物の選別処理コスト削減と高付加価値なタンパク質の製造」

    受賞のポイント

    食品廃棄物を餌としたアメリカミズアブの養殖を実現するとともに、高タンパクな飼料として製品化する国内初のビジネスモデルの構築に取り組んでいることは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【銅賞】

    受賞者

    チームYMO(公益財団法人名古屋市みどりの協会、株式会社山田組、株式会社オオバ)

    テーマ

    農業公園+都市公園を活用した持続可能な環境・農業・防災体験学習の実践

    受賞のポイント

    公園の管理運営を通じて、園内の自然を活用した様々な教育プログラムを展開するとともに、環境保全活動に市民と連携して取り組んだことは、環境活動の推進による持続可能な社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

    【中日新聞社賞】

    受賞者

    リデザインプロジェクト実行委員会

    テーマ

    地場産業の繊維資源循環が創る「誰一人取り残さない」リデザインプロジェクト=地域発エシカル

    受賞のポイント

    企業・学校・福祉施設が連携し、未利用繊維の循環利用を実現するとともに、学生の環境・社会貢献活動や県民のエシカル消費を促進したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【名古屋市長賞】

    受賞者

    株式会社フレンドマイクローブ

    テーマ

    高性能微生物を利用した油脂分解除去システムによる油脂由来の産業廃棄物削減

    受賞のポイント

    優れた油脂分解能力を有する微生物の効率的な培養機能を備えた独自の油脂処理システムを開発し、食品工場における廃棄物発生量を大幅に削減したことは、環境負荷低減による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    石川メリヤス有限会社
     株式会社渦japan

    テーマ

    繊維素材の有効活用と顧客満足を両立する持続可能なアップサイクルブランド「MOTTAiiNA(モッタイイナ)」

    受賞のポイント

    商品企画と生産技術というそれぞれの強みを生かし、工場で残った未利用繊維からデザインや使い勝手にもこだわった様々なアップサイクル商品を開発したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    石塚硝子株式会社

    テーマ

    卵殻廃棄物をカルシウム原料としてガラス製品に活用することによる循環型社会・脱炭素社会への貢献

    受賞のポイント

    卵の加工工場で廃棄されていた卵殻をガラスのカルシウム原料の代替として使用する業界初のビジネスモデルを構築し、ガラス製造時の天然資源投入量を削減したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    永興物産株式会社

    テーマ

    高品質マテリアルリサイクルペレットの製造によるプラスチック循環利用の推進

    受賞のポイント

    高性能な不純物除去システムやプラスチックの高強度・長寿命化技術を組み合わせた高品質ペレットの製造ラインを確立し、プラスチックのマテリアルリサイクルを推進したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    有限会社環境テクシス

    テーマ

    多種多様な食品廃棄物を配合したエコフィードを用いた養豚及び高品質ブランド肉「雪乃醸」の販売による食品リサイクルの推進

    受賞のポイント

    多品種の食品廃棄物を独自に分析・配合した高品質なエコフィードを製造するとともに、養豚及び販売まで一貫して行う循環ビジネスモデルを構築したことは、食品ロス削減による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    栄新薬株式会社

    テーマ

    多段旋回気流乾燥粉砕機を用いた規格外野菜等の高栄養食品化による食品ロス削減

    受賞のポイント

    規格外野菜を活用して、食材の栄養・色彩等を維持したまま短時間での乾燥・粉末化が可能な粉砕機を開発し、パウダー食品の製造を実現したことは、食品ロス削減による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    株式会社ジェネックス
     株式会社ブルーチップファーム

    テーマ

    再生可能エネルギーの供給と6次産業を組み合わせた新しいソーラーシェアリングモデル

    受賞のポイント

    発電事業者と営農者の連携により、永続的なソーラーシェアリングシステムを業界に先駆けて構築し、再生可能エネルギーの普及拡大に寄与したことは、カーボンニュートラルの実現による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    豊田合成株式会社

    テーマ

    自動車部品の生産過程で発生する端材を活用したエコブランド「Re-S(リーズ)」の販売による産業廃棄物削減への貢献

    受賞のポイント

    自動車部品生産時に発生する規格外の素材を有効活用したアップサイクル商品を企画・販売するとともに、他者との連携による販路拡大に取り組み、消費者の環境配慮行動の促進に寄与したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    トヨタホーム株式会社

    テーマ

    大規模戸建分譲地「MIYOSHI MIRAITO(ミヨシミライト)」における森と人が活きる持続可能な街づくり

    受賞のポイント

    既存森林を残し里山として整備する独自の街づくりを通じて、住民の愛着が芽生え楽しみながら森を育てる仕組みを構築するとともに、住宅におけるゼロエネルギー化を推進したことは、環境負荷低減による持続可能な社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    名古屋港木材倉庫株式会社

    テーマ

    剪定枝葉等を燃料とする都市型バイオマス発電事業~焼却処分する廃棄物からクリーン電力へ~

    受賞のポイント

    公園・道路等の維持管理で発生する剪定枝葉を燃料とした都市型バイオマス発電事業を通じて、地産地消のビジネスモデルを構築したことは、カーボンニュートラルの実現による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

    【優秀賞】

    受賞者

    豊栄工業株式会社

    テーマ

    電気泳動を主とした工業油浄化装置の開発による製造現場における環境負荷低減

    受賞のポイント

    工業油に混入する微細な不純物を取り除きメンテナンス性に優れた浄油装置を開発し、工業油の長期使用のみならず機械設備の長寿命化や製品の歩留まり向上を実現したことは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。


    • 17:20~17:50

    【ポスターセッション】

    表彰式会場では、愛知環境賞受賞事例16件の概要をまとめたパネルが設置され、受賞企業・団体ご担当者の方から直接内容についてご説明をいただきました。ご参加いただいた方々には、受賞事例の取組みについて深くご理解いただくと共に、受賞者及び多数の参加者の方々が交流を深められました。

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