「第30回EPOC意見交換会 ~会員企業のレベルアップ・相互交流~」報告
【概要】EPOC会員企業の環境への取り組みについての情報共有により、会員の更なるレベルアップと会員相互の意見交換の活性化を図るために「第30回EPOC意見交換会」を開催しました。 今回は、トヨタ自動車株式会社 プラント・環境技術部 部長 山田 裕一 氏をお招きし、「2035年 工場におけるカーボンニュートラルに向けたチャレンジ」をテーマにご講演いただきました。 講演は最初に、自動車業界を取り巻く環境の変化に対応するため、過去の成功体験にとらわれない変革にチャレンジし、自動車メーカーからモビリティカンパニーへ変貌を遂げているトヨタ自動車様の会社概要と自動車産業に求められるカーボンニュートラル対応についてご説明いただきました。 続きましてカーボンニュートラルに向けた工場での取り組みについてご説明いただきました。トヨタ自動車様では、人と車と自然が共生する社会をめざして、「トヨタ環境チャレンジ2050」で6つのチャレンジを掲げられていますが、意見交換会では「工場CO2ゼロチャレンジ」を中心にご説明いただきました。 トヨタ自動車様のグローバル工場では当初から15年前出し、2035年のカーボンニュートラル達成を目指し、「日常改善」、「ものづくり革新」、「再エネ・水素」の3つの取り組みを加速させています。 「日常改善」ではヤメル、ナオス、トメル、サゲル、ヒロウ、カエルを常に意識することで、徹底的なムダの排除により省エネを実現している事例や、省エネ活動を加速させるための情報の見える化、省エネ活動を支える人材育成などについてもわかりやすくご説明いただきました。一番力を入れているのが「日常改善」というお話をうかがい、世界のトップ企業になってもしっかりと工場に目を向け、日々改善に取り組んでいらっしゃるトヨタ自動車様の現場力の高さを感じることができました。 「ものづくり革新」では、「材料ミニマム化」、「スペースミニマム化」、「加工数ミニマム化」の3つの考え方で技術開発を進め、生産性を飛躍的に高めるだけでなくカーボンニュートラルにも貢献していることを説明していただきました。3つの考え方は個々に具体的な事例を挙げて非常にわかりやすく解説していただきました。 「再生可能エネルギー、水素の利活用」では、自家発電設備の設置と自家消費を最優先に再生可能エネルギーを増やす取組みを通じて、将来的に再生可能エネルギー100%を目指していくことや水素にも着目し工場における利用技術の開発や利用拡大、実証などに取組み、水素社会の実現を目指していることを動画も交えてご説明いただきました。 最後に「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」として自然と共生する工場についてご説明いただきました。従業員による植樹活動からスタートした工場の森づくりが現在では自然や生き物を育む取組みにまで発展してきている様子を「びおとーぷ堤」や「トヨタテクニカルセンター下山」の事例でご紹介いただきました。 講演後の意見交換では、事前に参加者から寄せられた多くの質問に対して、回答のスライドをご用意頂き、一つずつわかりやすくご回答いただきました。また、当日会場で講演を聴講した参加者からの質問にも丁寧にご回答いただき、大変有意義な意見交換会となりました。
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