交流会

2017愛知環境賞表彰式実施報告
「気候変動とビジネス」

【はじめに】

EPOCでは、愛知県より受託しました『愛知環境賞』の表彰式を開催致いたしました。
『愛知環境賞』とは、資源循環や環境負荷の低減を目的とした、先駆的で効果的な<技術・事業・活動・教育>の事例を、企業、団体及び県民から募集し、優れた事例に対する表彰を行うとともに、広く紹介することによって、新しい生産スタイルや生活スタイルを文化として社会に根付かせ、資源循環型社会の形成を促進するもので、本年は43件の応募を頂きました。
当日は、愛知環境賞表彰式、第29回交流会「気候変動とビジネス」と題した講演会、交流会(パネル展示による意見交換会)が開催され、受賞者をはじめその他参加者の方々にご交流頂きました。

日時
:平成29年2月16日(木曜)15時15分~19時
会場
:ローズコートホテル 3階 「ローズルーム」
主催
:愛知県
共催
:中日新聞社 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
後援
:経済産業省中部経済産業局、環境省中部地方環境事務所、
名古屋市、名古屋商工会議所、一般社団法人中部経済連合会
参加者数
:263名

【プログラム】

    • 15時15分~15時25分

    主催者挨拶

    愛知県知事 大村秀章

    EPOC会長(中部電力(株)代表取締役会長)水野明久

    【愛知県知事】
    主催者挨拶:愛知県知事 大村秀章
    【EPOC会長】
    主催者挨拶:EPOC会長(中部電力(株)代表取締役会長)水野明久
    • 15時25分~16時

    「2017愛知環境賞」表彰式

    【金賞】

    受賞者

    日本特殊陶業株式会社

    テーマ

    セラミックセンサ技術の開発と革新による、世界の自動車の大幅なCO2削減

    受賞のポイント

    高度な技術により、自動車排出ガスの温度や酸素濃度など様々な状況を把握する各種セラミックセンサを開発・普及し、世界の自動車の燃費向上及び排出ガスのクリーン化を実現したことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものと高く評価されました。

    【銀賞】

    受賞者

    株式会社紅久商店

    テーマ

    小型家電および金属リサイクル事業における金属とプラスチックの分離をほぼ完全に行う業界初の乾式ライン

    受賞のポイント

    廃棄された小型家電などから金属とプラスチックを精度良く分別する独自の分離ラインを構築し、高い再資源化率を実現したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献し業界をリードするものと高く評価されました。

    【銀賞】

    受賞者

    矢作川森の健康診断実行委員会

    テーマ

    森の健康診断~市民と研究者と森林ボランティア協働の森林調査と環境教育活動~

    受賞のポイント

    市民・研究者・ボランティアの協働のもと、森の健康診断を行うことにより健全な森づくりを進め、取組を全国に普及したことは、環境意識の向上と地域の環境活動の推進に大きく貢献するものと高く評価されました。

    【銅賞】

    受賞者

    愛知工業大学

    テーマ

    再生可能エネルギーによる発電システムの利活用を考慮したグリーングリッドシステムの構築

    受賞のポイント

    再生可能エネルギーを用いた電力システムに、直流交流給配電技術などを導入したグリーングリットシステムを構築し、これを普及したことは、再生可能エネルギーの利用拡大と省エネルギー大きく貢献するものと高く評価されました。

    【銅賞】

    受賞者

    株式会社三五

    テーマ

    【世界シェア94%】排気未利用熱の再利用技術
    排熱回収器による自動車燃費向上

    受賞のポイント

    独自の技術により、熱交換効率の高い排熱回収器を開発し、エンジンの暖気を促進することによりハイブリッドカーにおける燃費の向上を実現したことは、省エネルギーに大きく貢献するものと高く評価されました。

    【中日新聞社賞】

    受賞者

    愛知県立南陽高等学校

    テーマ

    生徒主体によるカーボン・オフセットを活用した地域や生徒の環境意識改善の取組

    受賞のポイント

    生徒が主体となり、カーボンクレジットを活用した商品開発や学校内外のイベント開催を通じてカーボンオフセットの取組を進めたことは、生徒や地域の環境意識を高める先駆的な環境活動モデルとして今後の波及効果が期待されるものと評価されました。

    【名古屋市長賞】(技術・事業部門の賞)

    受賞者

    ダイセキグループ

    テーマ

    変化する社会のニーズに合わせ、幅広い資源リサイクル事業の全国展開によって、循環型社会の構築を牽引

    受賞のポイント

    社会のニーズに応じた幅広い廃棄物に対応する資源リサイクル事業を展開し、全国規模での先進的なビジネスモデルを構築したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献し業界をリードするものと評価されました。

    【優秀賞】

    受賞者

    河田フェザー株式会社

    エコランド有限会社

    テーマ

    天然資源である羽毛を使った製品を回収し、独自の技術で洗浄
    保温性などの機能が回復したリサイクル羽毛を循環させるビジネスモデルの確立

    受賞のポイント

    使用済みの羽毛製品から取り出した羽毛を独自の技術により洗浄し、新たな羽毛製品として販売する資源循環の環を構築したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価されました。

    受賞者

    シンニチ工業株式会社

    テーマ

    加工性の良い大径薄肉鋼管で自動車部品等の製造工程を短縮化・軽量化、最終ユーザーの低燃費・省エネに貢献

    受賞のポイント

    独自の製造技術と工程管理技術をもとに、薄肉で加工性の良いパイプを提供することにより自動車部品の軽量化や製造工程の短縮に寄与したことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものと評価されました。

    受賞者

    名古屋市立名古屋商業高等学校

    テーマ

    葦から“Zoo”~葦を原料とした商品開発、エコ・ツーリズムと環境保全の啓発活動~

    受賞のポイント

    企業と連携のもと、生物多様性の保全などに効果のある葦を原材料とした布製品を開発し販売するビジネスと環境啓発を両立する活動を展開したことは、商業高校における先駆的な活動モデルとして今後の波及効果が期待されるものと評価されました。

    受賞者

    プールス株式会社

    テーマ

    環境にやさしく衛生的な自動おしぼり製造機の製造販売事業

    受賞のポイント

    環境面・衛生面を考慮したおしぼりを提供することができる自動おしぼり製造機を開発し、水使用量や消費電力の大幅な削減を実現したことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものと評価されました。

    受賞者

    穂の国の森から始まる家づくりの会

    テーマ

    近くの山の木(間伐杉材)を使った「教室の空気はビタミン材運動」を中心とする 環境体験教育活動

    受賞のポイント

    木の香りや感触を確かめながら行う体験活動により、児童生徒の山や森への関心を高めるとともに、身近な環境問題へ自主的に働きかける力を育成する継続性のある取組を実践したことは、先駆的な環境教育モデルとして今後の波及効果が期待されるものと評価されました。

    受賞者

    増岡窯業原料株式会社

    テーマ

    未利用資源キラを有効活用した日本初の保水性ブロックの開発とヒートアイランド現象の緩和

    受賞のポイント

    独自の着眼点により、窯業原料の精製過程で発生する副産物からヒートアイランド現象の緩和に寄与する保水性の高いブロックを開発したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価されました。

    受賞者

    ヤマダインフラテクノス株式会社

    テーマ

    循環式エコクリーンブラスト工法
    (乾式ブラスト工法において産業廃棄物を1/50に削減し低コスト化を実現する日本初の環境負荷低減工法)

    受賞のポイント

    橋梁の塗り替え工事において、再利用可能な金属系研削材を用いた独自の工法を開発し、廃棄物を大幅に削減するとともに当該技術の普及を図ったことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献し業界をリードするものと評価されました。

    受賞者

    株式会社ランド

    テーマ

    廃棄物リサイクル原料を組み合せた簡易施工型雑草防止土系舗装材「頑太郎」の製造販売

    受賞のポイント

    廃棄物を原料に雑草防止効果やヒートアイランド現象の緩和など環境性能の高い簡易施工型の土系舗装材を開発したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価されました。

    • 16時15分~17時25分

    【講演会】

    「気候変動とビジネス」

    経済協力開発機構(OECD) 事務次長 玉木 林太郎 氏

    講演会の概要

    パリ協定が目指す温室効果ガスのネットゼロ排出のためには、「低炭素」社会ではなく、化石燃料依存システムから脱却する「脱炭素」社会を目指すことが必要と訴えられました。

    次いで、国際的に炭素税等の温室効果ガス排出への価格付け(カーボン・プライシング)が展開しつつあり、我が国の取り組みは諸外国に比べ見劣りする状況にあるとの懸念が示されました。

    さらに、気候変動対応は、企業のおけるCSRの取り組みからビジネス上の競争や機会獲得へと転換しつつあり、特に金融面では、投資の引き揚げ(divestment)やグリーン・ボンド市場の拡大等が進み、企業に環境関連情報の開示を求める動きが加速しているなどの状況をお話しいただき、大変有意義な講演会となりました。

    • 17時40分~19時

    【交流会】

    EPOC意見交流会が行われ、受賞者及び多数の参加者の方々が交流を深められました。

    また、会場には15件の各受賞事例の概要をまとめたパネルが設置され、受賞企業・団体のご担当者の方から直接内容についてご説明を頂くことで、参加者の方々には各受賞事例の取組み内容についてより深くご理解いただきました。