交流会

2013愛知環境賞表彰式実施報告
「いま、何を議論すべきなのか?〜エネルギー政策と温暖化政策の再検討」

【はじめに】

EPOCでは、昨年に引き続き愛知県より受託しました『愛知環境賞』の表彰式を開催致いたしました。
『愛知環境賞』とは、資源循環や環境負荷の低減を目的とした、先駆的で効果的な<技術・事業・活動・教育>の事例を、企業、団体及び県民から募集し、優れた事例に対する表彰を行うとともに、広く紹介することによって、新しい生産スタイルや生活スタイルを文化として社会に根付かせ、資源循環型社会の形成を促進するもので、本年は40件の応募を頂きました。
当日は、愛知環境賞表彰式、第25回交流会「いま、何を議論すべきなのか?〜エネルギー施策と温暖化政策の再検討〜」と題した講演会、交流会(パネル展示による意見交換会)が開催され、受賞者をはじめその他参加者の方々にご交流頂きました。

日時
:平成25年2月19日(火曜)15時15分〜19時
会場
:ローズコートホテル 4階 「ローズルーム」
主催
:愛知県
共催
:中日新聞社 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
後援
:経済産業省中部経済産業局 環境省中部地方環境事務所
名古屋市 名古屋商工会議所 一般社団法人中部経済連合会
参加者数
:274名

【プログラム】

    • 15時15分〜15時25分

    主催者挨拶

    愛知県知事 大村秀章

    EPOC会長(トヨタ自動車(株)代表取締役副社長)新美篤志

    【愛知県知事】
    主催者挨拶:愛知県知事 大村秀章
    【EPOC会長】
    主催者挨拶:EPOC会長(トヨタ自動車椛纒\取締役副社長)新美篤志
    • 15時25分〜16時

    「2013愛知環境賞」表彰式

    【金賞】

    受賞者

    東邦ガス株式会社

    テーマ

    環境調和型社会の実現に向けた取り組み〜お客さまや地域社会とともに〜

    受賞のポイント

    CO2排出量が少なく、環境負荷低減に優れた天然ガスの普及拡大に努めるとともに、水素エネルギーを活用した実証試験などの取組が、将来に向けたエネルギー安定供給に貢献し、地域社会の持続発展につながるものであると高く評価された。

    【銀賞】

    受賞者

    株式会社豊田自動織機

    テーマ

    人と環境にやさしい自動車エアコン用電動コンプレッサーシリーズの技術開発

    受賞のポイント

    エンジン動力に依存せずに作動可能なハイブリッド車や電気自動車向けの画期的なエアコン用電動コンプレッサーを開発し、シリーズ化を通じて小型化・軽量化・高効率化を実現したことが、車両の燃費向上及びCO2削減に大きく貢献したとして、その実績が高く評価された。

    受賞者

    KTX株式会社

    テーマ

    省エネ生産工法を実現する世界初の進化した電気鋳造金型の開発

    受賞のポイント

    急速加熱・冷却を可能にしたMPM金型の開発は、プラスチック製品の薄肉成形と高強度化を実現させるとともに、成形効率を大幅に向上したポーラス電鋳金型の開発により、電力使用量の大幅削減を実現させたことが、省エネ・省資源に大きく貢献する取組であると高く評価された。

    【銅賞】

    受賞者

    株式会社加藤製作所

    テーマ

    軽い!安い!クリーン!な環境配慮型革新的鋳造技術「減圧凍結システム」による薄肉、軽量化青銅鋳物の製造

    受賞のポイント

    青銅鋳物の製造過程で、砂と水を凍結させた鋳型と中子を使用する技術を開発したことが、鋳物の薄肉化・軽量化を実現させるとともに、鋳物砂の再利用による廃棄物の削減、騒音・振動・粉塵等の環境負荷の低減を実現させたことが、鋳鉄業界への波及効果が大きいと高く評価された。

    【中日新聞社賞】(活動・教育部門の賞)

    受賞者

    株式会社チームエコラボ

    テーマ

    中小企業参加型エコ事業プラットフォーム構築活動

    受賞のポイント

    独自技術を持つ中小企業が集まり、一つの共同体として、環境配慮型商品の企画・開発・製造・販売を行う事業は、今後の中小企業のビジネスモデルとなりうる極めて先導的な活動であり、波及効果が大きい点が高く評価された。

    【名古屋市長賞】(技術・事業部門の賞)

    受賞者

    株式会社アビヅ

    テーマ

    自動車シュレッダーダスト(ASR)を有効利用した製鋼副資材の製造

    受賞のポイント

    リサイクル困難物であった自動車シュレッダー軽量ダストと、鉄の表面研磨作業等で発生した鉄粉を混錬・成形させ、それを高炉製鉄所における飛散防止剤として再資源化し、廃棄物の最終処分量の削減に大きく貢献したことが高く評価された。

    【優秀賞】(活動・教育)

    受賞者

    命をつなぐPROJECT

    テーマ

    「命をつなぐPROJECT」〜未来を担う学生が考える、日本初の企業緑地を起点とした生態系ネットワーク構築プロジェクト〜

    受賞のポイント

    学生と企業、民間団体が協働して、知多臨海部の広大な企業緑地群を活用し、生き物のすみかを作る活動は、生態系ネットワーク構築のモデルとして先駆的な取組であり、他地域への波及効果が期待できると高く評価された。

    【優秀賞】(事業・技術)

    受賞者

    株式会社ディビーエス

    テーマ

    CO2削減し鉄筋工事の省力化をはかったDBヘッド定着工法

    受賞のポイント

    建物強度はそのままに、鉄筋の先端を曲げる従来工法に代わり、独自に開発したDBリングを取り付けた鉄筋を使用する工法を普及させたことは、鉄筋を曲げる作業時に発生していたCO2排出量を削減させるとともに、鉄の使用量削減を実現し、省資源に大きく貢献する点が高く評価された。

    受賞者

    新東工業株式会社

    テーマ

    ダイカスト製品の不良低減技術およびダイカスト金型の熱応力が原因となる疲労破壊抑止技術

    受賞のポイント

    表面に特殊な凹みを形成した金型、及びショットピーニング法による疲労破壊抑止技術を開発したことは、鋳造欠陥の低減、金型寿命の向上をもたらし、自動車業界を始めとする幅広い業界への波及効果が大きい点が高く評価された。

    受賞者

    化成工業株式会社

    テーマ

    環境にやさしいゴム部品生産ラインの開発〜ゴム加硫工程のエネルギー消費量の削減〜

    受賞のポイント

    ゴム加硫工程において、従来の間接加熱から直接加熱に転換したことで、無駄な排熱を削減し、またマイクロ波の効率を高めるための加硫炉の配置を変更したことで、生産ラインの短縮を実現した取組は、エネルギーの削減に貢献するとともに、他の業界への波及効果が大きい点が高く評価された。

    受賞者

    メタウォーター株式会社 中部電力株式会社

    テーマ

    下水汚泥から炭化燃料を製造し、石炭火力発電所にて利用する事業〜未利用バイオマスエネルギーの有効利用と温室効果がス削減への取組み〜

    受賞のポイント

    下水汚泥からバイオマス燃料を製造し、発電所で石炭と混焼する事業は、中部地区初の取組であり、廃棄物削減、温室効果がス削減に有効であるとともに、下水汚泥の再資源化に効果的な事業の一つであり、社会的貢献が大きいと高く評価された。

    受賞者

    パナソニックエコシステムズ株式会社

    テーマ

    エネルギーの見える化による工場省エネ活動

    受賞のポイント

    電力使用量の可視化、及び生産設備と原動設備の連携・制御を高度化したシステムが、工場における省エネルギーの優れた手法を示したモデルであり、そのノウハウを広く公開していることは、社会的貢献が大きいと高く評価された。

    受賞者

    木村メタル産業株式会社

    テーマ

    都市鉱山開拓のノウハウ〜エアコン用コンプレッサーからネオジム、ジスプロシウムを回収〜

    受賞のポイント

    エアコン用コンプレッサーから効率的にネオジム磁石を回収する手法を開発したことは、国内におけるレアメタル回収の加速に向けた先駆的な取組であり、社会的貢献が大きいと高く評価された。

    • 16時15分〜17時15分

    【講演会】

    「いま、何を議論すべきなのか?〜エネルギー施策と温暖化政策の再検討〜」

    21世紀政策研究所 研究主幹 澤 昭裕 氏

    (講演会の概要)

    エネルギー政策、温暖化政策、及び電気料金体系についてご講演頂きました。特に再生可能エネルギーの導入に関して、ドイツやスペインなど欧州諸国での事例を交えて非常に分かりやすく解説頂きました。また全量買取制度の問題点についても電気料金の観点から非常に鋭くご指摘されており、とても興味深い内容でした。

    • 17時30分〜19時

    【交流会】

    EPOC交流会が行われ、受賞者及び多数の参加者の方々が交流を深められました。

    また、会場には13件の各受賞事例の概要をまとめたパネルが設置され、受賞企業・団体のご担当者の方から直接内容についてご説明を頂くことで、参加者の方々には各受賞事例の取組み内容についてより深くご理解いただきました。