研究会

2019年度 第3回循環ビジネス創出会議 (現地見学会)

はじめに

EPOCでは、先導的な循環ビジネスの振興を支援するため、愛知県と共同で「循環ビジネス創出会議」 (現地見学会)を開催しています。

今回は、「2019愛知環境賞」において金賞及び銅賞を受賞した2企業を訪問し、優れた技術や取り組みについて、現場視察を交えてご紹介いただきました。見学会にはEPOC会員、一般応募者よりご参加され、循環(環境) ビジネスへのご理解をより一層深めていただきました。

開催日時 2019年11月15日(金) 8:30-16:50
見学先 [1] 株式会社MARUKO 冨士見リサイクルセンター
[2] 株式会社名南製作所 本社
参加者 27名

株式会社MARUKO 富士見リサイクルセンター

【概説】

建設系混合廃棄物を屋内で効率よく選別する設備を導入し、高い再資源化率を実現するとともに、周辺地域の環境に配慮した機器の設置や作業工程を広く公開する取組は環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価され[2019愛知環境賞銅賞]を受賞しました。

【見学内容】

(1) 概要説明(会社概要・施設紹介)
(2) プラント見学

同社の会社概要と現状についてお話いただき、建設系廃棄物を極限までリサイクルするために設計された処理施設を処理工程が見渡せるガラス張りの見学デッキから見学させていただきました。
同社の処理施設は振動・騒音・粉塵を屋外に出さないため、処理設備をすべて屋内に設置し、二重化した高速シャッターを導入しています。処理工程は廃棄物の受け入れから選別、重量残渣物の破砕まで細かく分けられており、また、処理されたものは細かく分別され資源として極限までリサイクルされます。また、水洗工程で発生した排水は、浄化され施設内で再利用されており、工場にはミスト噴霧器や集じんダストが設置され、作業環境も整えられていました。同社の業態改革により業界のイメージを一新させ、モデルプランとして循環型社会に貢献されており、同社の「極限までのリサイクル」の取り組みについて実際の見学にて理解することができました。

株式会社名南製作所  本社

【概説】

加工が困難で用途が限られていた国産針葉樹を、合板の原材料として利用できる合板製造機械を世界で初めて開発し、国産未利用材の利用率の大幅な向上に寄与したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価され[2019愛知環境賞金賞]を受賞しました。

【見学内容】

(1) 概要説明(会社概要、取組み)
(2) 工場見学 

概要・取組みについて、同社の方が勉強・研究に使用されている「勉強室」にて、ご説明いただきました。工場では、同社が開発・製造された、丸太木材をかつら剥きにする機械「ロータリーレース」にて丸太を一瞬でシートになるところやシートになった木材の選別を行う単板選別機、「トレジャーハンター」にてシートの選別が迅速かつ正確に行われるところを見せていただきました。また、屋外に建築された、すべて LVL(単板積層材)にて造られた「スギ実験棟」 をご案内いただきました。こちらはLVにて造られた建物の経年変化の研究のために建てられているとのこと、この中で、原木とLVL木材に触れ、乾きが早い、歩留まりがよいといったLVLの特長についてご説明いただきました。同社が研究を重ねて培われた技術が環境負荷の低減と資源循環型社会に貢献されたことが理解できました。
※通常の合板と違い、板を同じ方向に重ねた合板


以上