2016年度 第1回循環ビジネス創出会議 (ビジネスセミナー)
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開催日時 | 2016年8月10日(水曜) 13時30分〜16時30分 |
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開催場所 | 愛知県産業労働センター 「ウインクあいち」 5階 小ホール1 |
参加者 | 94名 |
プログラム
開会挨拶 13時30分〜13時35分
基調講演 13時35分〜14時15分
「資源リサイクルを支える分離技術」
講師:森 秀樹氏 国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科 教授
事例紹介 14時15分〜15時20分
「塗料廃液を対象とした「分別」と「蒸留」による再資源化」
鈴木 竜磨氏 豊田化学工業株式会社 技術部 技術課 課長
「作動油・各種加工液のリユース化とスラッジ再資源化サービスの構築」
沖野 浩章氏 有限会社サンメンテナンス工機 営業部 部長
「溶媒抽出プロセスの低コスト化によるリン酸リサイクル事業の拡張」
内野 雄貴氏 三和油化工業株式会社 技術部 課長
パネルディスカッション 15時30分〜16時30分
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- 基調講演
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「資源リサイクルを支える分離技術」
森 秀樹氏 国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科 教授
分離技術に関して、技術の基礎から、分離操作の原理と特徴、分離システムの構成等について、事例を交えながらご講演いただきました。
相分離により平衡状態における組成の差を利用する平衡分離や、濃度差や圧力差、電位差等の推進力による物質移動の速度差を利用する速度差分離のさまざまな分離方法の中から、原料成分の物性を考慮して適切な方法を選定し、設備投資回収等の経済性評価も確保しながら、分離システム構築を進めることが大切であると理解することができました。
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- 事例紹介1
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「塗料廃液を対象とした「分別」と「蒸留」による再資源化」
鈴木 竜磨氏 豊田化学工業株式会社 技術部 技術課 課長
自動車メーカーの塗装工程にて多量に発生した使用済み有機溶剤のマテリアルリサイクルについて事例紹介いただきました。塗装工程で使用した使用済み有機溶剤は、樹脂、水分など再資源化の妨げになる物質の混入など様々な問題点から産業廃棄物として処理していたものを、顧客と連携し廃液を分別するシステムを確立することによって、再資源化を可能にしたとのことでした。また、蒸留再生設備を導入することで、高粘着・不要成分含有の廃液も受入れ可能となり、現在では約8割のマテリアルリサイクルを実現されているとのことでした。今後は、現在サーマルリサイクルしかできていない廃液もマテリアルリサイクルできるよう、様々な活動に取り組まれるそうです。
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- 事例紹介2
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「作動油・各種加工液のリユース化とスラッジ再資源化サービスの構築」
沖野 浩章氏 有限会社サンメンテナンス工機 営業部 部長
フィルトレーション技術について事例紹介いただきました。作動油・加工油は、汚染・劣化が進むと、廃油・廃液として処分しなければならないところを、濾過することで再利用するというものでした。また、濾過したフィルターからスラッジを取り出し、フィルターを再利用すると共に、取り出したスラッジを再資源化することで環境保全にも貢献しているとのことでした。今後は、レアメタルスラッジ回収のリサイクルを目的とした精密濾過サービスの開発・販売事業化に取り組まれるそうです。
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- 事例紹介3
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「溶媒抽出プロセスの低コスト化によるリン酸リサイクル事業の拡張」
内野 雄貴氏 三和油化工業株式会社 技術部 課長
リン酸リサイクル事業についてご紹介いただきました。様々な物の電子化や高機能化が進むと共に、リン酸の使用量と廃混酸が増える中、溶媒抽出装置において、回転数を調整して、安定した多段操作を実現したり、多段操作の設計と予測を研究して活用範囲を広げているとのことでした。今後は、コストを抑えつつ、品質を確保していくと共に、応用分野の開拓や、装置のユニット化の課題に取り組まれるそうです。
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- パネルディスカッション
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コーディネーター
森 秀樹氏 国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科 教授パネリスト
鈴木 竜磨氏 豊田化学工業株式会社 技術部 技術課 課長
沖野 浩章氏 有限会社サンメンテナンス工機 営業部 部長
内野 雄貴氏 三和油化工業株式会社 技術部 課長テーマ
「リサイクル技術〜液体分離技術を中心に〜」
テーマに基づき、パネルディスカッションを行いました。
様々な廃液、廃油、廃混酸の液体の分離をして、そこから得られた物を再生してリサイクル・リユースするにあたり、顧客によって排出物の条件が違うので、品質の確保原料の成分・組成を把握し、コストバランスをとることが重要であること、また、販売の際は、顧客のニーズを把握し、いち早く対応するため、ニーズや要望を吸い上げながらサービスを提供し、リメイク品・レストア品等の良いイメージを顧客を持ってもらえるよう工夫も行っているとのことでした。
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以上