2015年度 第5回循環ビジネス創出会議 (ビジネスセミナー)
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開催日時 | 平成28年3月4日(金曜) 13時30分〜16時30分 |
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開催場所 | 愛知県産業労働センター 「ウインクあいち」 5階 小ホール2 |
参加者 | 80名 |
プログラム
13時30分〜13時35分 開会挨拶
愛知県環境部 資源循環推進課 課長 大林 由孝氏
13時35分〜14時25分 基調講演
「食品廃棄物再資源化技術とリサイクルシステム」
横浜国立大学 先端科学高等研究院 教授 藤江 幸一氏
14時25分〜14時45分 事例紹介1
「食品リサイクルループは命をつなぐ環」
ユニーグループ・ホールディングス株式会社 執行役員
グループ業務本部 グループ環境社会貢献部部長 百瀬 則子氏
14時45分〜15時5分 事例紹介2
「食品リサイクルに関する新しいビジネスモデルへの取組」
有限会社環境テクシス 代表取締役社長 橋 慶氏
15時5分〜15時30分 事例紹介3
「耕畜食ネットワークによる循環資源の高付加価値化事業」
株式会社小桝屋 営業部 部長 鈴木 邦彦氏
15時40分〜16時30分 パネルディスカッション
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- 基調講演
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「食品廃棄物再資源化技術とリサイクルシステム」
横浜国立大学 先端科学高等研究院 教授 藤江 幸一氏
近年注目を集めている食品廃棄物のリサイクルについて、どのようにして持続的な経済社会を実現したら良いか、ご説明いただきました。
地球温暖化、生態圏の危機、資源枯渇等様々な環境問題を抱える中で、生態系と共生し、持続的に成長し、発展する経済社会を実現するには、日常生活を取り巻く多様なリスク要因を的確に把握・評価し、効果的・効率的にリスク低減する必要があります。その手段として、物質フロー・エネルギーフロー解析の活用や、バイオマスの利活用、再資源化の選択、廃棄物・未利用資源のリサイクルなどが挙げられました。健全な食品廃棄物のリサイクルを実現するためには、社会の状況、すなわち社会や市民の選好性、話題性、需要を的確に把握し、リサイクルによってもたらされる便益、費用負担とリスクを適切に評価することが必要である。加えて、食品系廃棄物の性状や排出される規模に基づく適当な再資源化の選択が求められており、リサイクル品の高付加価値化を実現できる技術の開発にも目を向ける必要がある。現場・経験から信頼できる情報やデータを入手し、活用することが何よりも重要であるとのことでした。
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- 事例紹介1
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「食品リサイクルループは命をつなぐ環」
ユニーグループ・ホールディングス株式会社 執行役員
グループ業務本部 グループ環境社会貢献部部長 百瀬 則子氏
消費者の一番近くで企業活動を行っているスーパーにおいて取り組まれている活動についてご紹介いただきました。発生抑制・リサイクル推進の取組として、廃棄物を素材ごとに徹底分別し、リサイクル資源として再活用及び、廃棄物発生場所・量を把握し、発生抑制効果を測定するというものでした。また、01年からの食品リサイクル法施行を受け構築したリサイクルループにて、食品残さの再利用事業者と農業生産者とパートナーシップを組み、リサイクルの環を回しているとのことでした。
リサイクル費用が一般廃棄物の処理より高かったり、自治体ごとの廃棄物に対するルールの違いへの対応等課題が残りますが、食品流通の川下(卸売、小売、家庭等)ほど、再生利用が低調であること、地域循環圏構築促進が必要であり、食品循環資源を基調な資源ととらえ、再生利用を推進することが必要であるとのことでした。
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- 事例紹介2
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「食品リサイクルに関する新しいビジネスモデルへの取組」
有限会社環境テクシス 代表取締役社長 橋 慶氏
食品工場から発生する食品残さのうち、飼料として利用されていないものを飼料利用できるようにする活動事例についてご紹介いただきました。従来、一部の食品残さは高水分含有が故に変質しやすいため飼料としての利用が難しく、また頻繁に輸送しなければならないため輸送コストが問題でした。保存性の向上が重要と考え、実施されたのがオンサイト処理法という、食品工場等の排出元で保存処理をするというものでした。排出元での保存装置や薬品のコストというデメリットはあるものの、変質防止でき、保存性向上による輸送費低減という大きなメリットがあり、今後もこの方法の利用拡大を推進していくとのことでした。
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- 事例紹介3
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「耕畜食ネットワークによる循環資源の高付加価値化事業」
株式会社小桝屋 営業部 部長 鈴木 邦彦氏
同社にて取り組まれている、耕畜食ネットワークによる循環資源の高付加価値化事業についてご紹介いただきました。吸引通気式クレーン式堆肥化システムと呼ばれる、作業の自動化、臭気対策や品質安定を図ることで、生産コストを低減し肥料価値の高い堆肥の製造が可能になるプラントの導入や、GEN方式による食品循環資源の麹発酵液状飼料製造という、多様な食品循環資源を利用し、安定した成分と低価格で安全・短時間で飼料製造できるプラントを導入されているとのことでした。
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- パネルディスカッション
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コーディネーター
横浜国立大学 先端科学高等研究院 教授 藤江 幸一氏
パネリスト
ユニーグループ・ホールディングス株式会社 執行役員
グループ業務本部 グループ環境社会貢献部部長 百瀬 則子氏
有限会社環境テクシス 代表取締役社長 橋 慶氏
株式会社小桝屋 営業部 部長 鈴木 邦彦氏
テーマ
「食品リサイクルにおける技術と取組」
パネルディスカッションでは、食品リサイクルにおけるさまざまな課題や事業化成功の秘訣についてご意見を頂戴し、会場からの活発な質疑を通して有意義な議論となりました。
健全なリサイクルを実現するためには、タイミングや追い風を掴みながら、直面する多様な課題を乗り越える必要がある。なによりも異業種間のネットワーク化が必要であり、ネットワークを構築するためには、適切なコミュニケーションを通して信頼を得ることが重要である。リサイクルに関心を持ってもらうには、関心を引くような謳い文句に加えてその効果を実感してもらうことがリサイクルの付加価値化につながる。国際的な規格や規制も把握しつつ、新たな課題に対して柔軟に対応することの必要であることが示された。
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以上