2014年度 第2回循環ビジネス創出会議 (ビジネスセミナー)
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開催日時 | 平成26年8月26日(火曜) 13時30分~16時30分 |
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開催場所 | 愛知県産業労働センター 「ウインクあいち」 5階 小ホール2 |
参加者 | 114名 |
プログラム
13時30分~13時35分 開会挨拶
愛知県環境部資源循環推進監 岩田 信吾氏
13時35分~14時15分 基調講演
「木質バイオマスをめぐる現状と課題」
名古屋大学 大学院 生命農学研究科 教授 福島 和彦氏
14時15分~14時40分 事例紹介1
あいちゼロエミッション・コミュニティ構想事業化検討
「木質バイオマスのエネルギー等への利活用システム構想事業化検討」調査報告
フルハシEPO株式会社 執行役員 開発本部 本部長 前田 雅之氏
14時40分~15時00分 事例紹介2
「木質バイオマス発電事業の計画内容について」
株式会社 中部プラントサービス 経営戦略本部 事業戦略部 担当部長 安藤 友昭氏
15時00分~15時20分 事例紹介3
「都市の廃棄資源をエネルギー資源に変える木質ペレット事業の可能性」
阿部建設株式会社 代表取締役社長 阿部 一雄氏
15時30分~16時30分 パネルディスカッション
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- 基調講演
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「木質バイオマスをめぐる現状と課題」
名古屋大学 大学院 生命農学研究科 教授 福島 和彦氏
近年、注目を集めている木質バイオマスについて、原料を確保すれば安定電源になること、カーボンニュートラルの特性から温室効果ガス(CO2)の排出を抑制が可能なこと、資源リサイクル社会への移行につながること、エネルギーや素材の供給という役割から農山漁村の活性化につながることといった多くのメリットがあるとのご説明を頂きました。また、一部の森林伐採が環境破壊につながるという認識については、高齢化した森林は、二酸化炭素の吸収能力が低下することから、高齢化した森林は伐採し、再造林することが必要であり、また、林業への発展につながるとのご説明を頂きました。また、家の新築や改築で木材を購入するともらえるポイント制度「木材利用ポイント事業」やエタノール生産、木材の流動成形やナノカーボン製造システムといった先進的な木質利用の具体例についてもご紹介頂き、持続的な木質利用には、さらに未知の可能性があるとの展望を認識することができました。
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- 事例紹介1
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あいちゼロエミッション・コミュニティ構想事業化検討
「木質バイオマスのエネルギー等への利活用システム構想事業化検討」調査報告
フルハシEPO株式会社 執行役員 開発本部 本部長 前田 雅之氏
愛知県が平成19年3月に策定した「あいちゼロエミッション・コミュニティ構想」の事業モデルのひとつである「事業モデル例7木質バイオマスの有効利用」に基づいて、同社が検討された事業化の可能性についてご説明頂きました。同社チップ工場(武豊工場)を想定した『建設廃材等の都市部における廃木材を起点とした廃木材利活用モデル』は実現に向けて具体的な検討を実施しており、また、新城市湯谷温泉を想定した『林地残材等の森林資源を起点とした森林資源利活用モデル』については引き続き、事業化調査を継続しておられる旨、ご説明頂きました。検討にあたっての課題やそれぞれの地域の有効活用熱量、地域特性について調査され、補助事業の活用、ガス化発電技術課題、ベース電力事業化についても検討され、実現に向けたお話をうかがうことができました。
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- 事例紹介2
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「木質バイオマス発電事業の計画内容について」
株式会社 中部プラントサービス 経営戦略本部 事業戦略部 担当部長 安藤 友昭氏
同社が三重県多気町、多気クリスタルタウン工業ゾーン内に計画中の、木質バイオマス発電事業の内容についてご説明頂きました。立地としては、発電用水の受水が可能であり、近傍に送電線があり、さらに、木質チップ工場から近距離であることから、この上ない好条件とのことでした。同社の事業参入にあたっては、森林事業の活性化や地元雇用促進などの「社会貢献」と同社が自社の技術力を活かし、発電プラントの設計・建設から運用までを実施するという「自立的事業へのチャレンジ」が背景にあるとのお話を伺いました。また、安定して、且つ適正価格で燃料の供給を受けることができるよう組織された一般材と未利用材の燃料調達システムである「バイオマス利用推進協議会」のシステムについてご紹介頂き木質バイオマス発電事業の詳細についてお話をうかがうことができました。
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- 事例紹介3
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「都市の廃棄資源をエネルギー資源に変える木質ペレット事業の可能性」
阿部建設株式会社 代表取締役社長 阿部 一雄氏
都市に眠るおがくずを回収し、100%木質ペレットとして燃料にし、おがくず回収とペレット集配を同一車両で行い、都市の廃棄資源をエネルギー資源に変えるネットワークである「木木情報プラットホームあいち」についてご説明頂きました。山間部からの木材の回収は、コストや手間がかかることから困難であると考えられている中、都市に眠るおがくずを有効利用するという取組は都市に眠る資源の循環を図ることができるばかりでなく、建築廃材の廃棄処分コストを削減し、廃棄処分から発生する二酸化炭素の削減をすることができるとのお話を伺い、この取組が地球温暖化や廃棄物処理などの問題への対策として大変に有効であると認識することができました。今後はペレットストーブの普及や、おがくず収集のための地域ネットワークづくりに取組まれるとのお話をうかがい、また、同社の「低エネルギーで生活できる家」についてもご紹介頂きました。
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- パネルディスカッション
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コーディネーター
名古屋大学 大学院 生命農学研究科 教授 福島 和彦氏
パネリスト
フルハシEPO株式会社 執行役員 開発本部 本部長 前田 雅之氏
株式会社 中部プラントサービス 経営戦略本部 事業戦略部 担当部長 安藤 友昭氏
阿部建設株式会社 代表取締役社長 阿部 一雄氏
テーマ
「木質バイオマス活用ビジネスの現状と展望」
パネルディスカッションでは、事業をすすめていく上での課題としてパネリストの方からご意見のあった木材燃料の安定供給と木材の有効利用について、参加者の方から、薪集めの方法や小規模発電機での事業化、木材有効活用についてご提案を頂戴し、有意義な議論をすることができました。
本県内における、「木質バイオマス活用ビジネスの現状と展望」の今後の方向性と可能性については、燃料の安定供給や林業の後継者問題等の大きな課題が残っているものの今後の展望については大きな期待が寄せられました。
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以上