研究会

2013年度 第1回循環ビジネス創出会議(現地見学会)

はじめに

EPOC循環型社会分科会では愛知県と協力し、モノづくり県としての産業技術の集積を活かして、先導的で効果的なリサイクル事業を生み出し、資源循環型社会の形成を促進することを目的として『循環ビジネス創出会議』を開催し広く社会の資源循環を推進しています。
今回は、「2013愛知環境賞」を受賞された企業を訪問し、資源循環や環境負荷低減の優れた技術や取り組みについて、現場視察を交えてご紹介いただきました。見学会にはEPOC会員、一般応募企業、自治体関係者より、多くの方がご参加され、循環(環境)ビジネスへのご理解をより一層深めていただきました。

開催日時: 平成25年7月19日(金曜日) 8時20分〜18時
見学先: 1.東邦ガス株式会社 技術研究所 <愛知県東海市新宝町507-2>
2.愛知県衣浦東部浄化センター <愛知県碧南市港南町2丁目8-15>
中部電力株式会社 碧南火力発電所 <愛知県碧南市港南町2丁目8-2>
参加者: 43名

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    1.東邦ガス株式会社 技術研究所 <愛知県東海市新宝町507-2>
    「スマートエネルギーハウス実証試験等の見学」
    〜2013愛知環境賞金賞受賞〜


    【概説】
    同社はCO2排出量が少なく、環境負荷低減に優れた天然ガスの普及拡大に努めるとともに、水素エネルギーを活用した実証試験などの取組が将来に向けたエネルギー安定供給に貢献し、地域社会の持続発展につながるものであると高く評価され「2013愛知環境賞金賞」を受賞されました。


    【見学内容】
    はじめに、同社の「技術開発の概要」について、家庭用分野の技術、業務用・産業用分野の技術、次世代の環境技術及び生産・供給分野の技術にわたり、丁寧にご説明頂きました。その後、3つの班にわかれて [1]HEMS(Home Energy Management System)を活用した省エネ住宅(スマートエネルギーハウス) [2]産業用高効率バーナ [3]水素ステーションの見学をさせて頂きました。
    [1]省エネ住宅(スマートエネルギーハウス)では、燃料電池・太陽電池・蓄電池を組み合わせ、ICT技術を用いて電気と熱を効率的に使うことで環境性と快適性を兼ね備えた先進的な家となっていることをご説明頂き、実際に快適な住宅を実感することができました。
    [2]産業用高効率バーナでは産業用の天然ガスを熱へ効率よく転換をするために技術開発された高効率バーナを見せて頂きました。
    [3]同研究所に2002年に設置された水素ステーションでは、天然ガスから効率よく水素への改質を行い、水素を燃料とする燃料電池自動車の普及に向けて、水素ステーションのコスト低減や耐久性の検証などが進められていました。全体を通して地球環境課題へのソリューションが研究されていることを現場で確認できました。

    水素ステーション&省エネ住宅(スマートエネルギーハウス)『アスパラガスハウス』

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    2.[1]衣浦東部浄化センター <愛知県碧南市港南町2丁目8-15>
    [2]中部電力株式会社碧南火力発電所 <愛知県碧南市港南町2丁目8-2>
    「下水汚泥から炭化燃料を製造し、石炭火力発電所にて利用する事業−未利用バイオマスエネルギーの有効利用と温室効果ガス削減への取組み−」
    〜2013愛知環境賞優秀賞受賞〜 (メタウォーター株式会社/中部電力株式会社)


    【概説】
    下水汚泥からバイオマス燃料を製造し、発電所で石炭と混焼する事業は、中部地区初の取組であり、廃棄物削減、温室効果ガス削減に有効であるとともに、下水汚泥の再資源化に効果的な事業の一つであり、社会的貢献が大きいと高く評価され、メタウォーター株式会社と中部電力株式会社は「2013愛知環境賞優秀賞」を受賞されました。


    [1]衣浦東部浄化センター
    「下水汚泥からバイオマス燃料を製造」

    同センター内に設置された下水汚泥燃料化施設は中部地方では初めての施設であり、全国でも東京都に次いで広島市と同時期に運転を開始した、全国でも3例しかない革新的な事業です。


    【見学内容】
    はじめに、下水汚泥からバイオマス燃料を製造する炭化処理のしくみ(乾燥→造粒→炭化→冷却→加湿)について、ご説明頂き、その後、実際に下水汚泥燃料化施設(炭化炉)の見学をさせて頂きました。同センター内の燃料化施設で炭化処理された下水汚泥燃料は全量を中部電力兜ノ南火力発電所に運搬し石炭と混焼利用しています。現場では、日々、プラントの安定運転に尽力されていることがわかりました。

    概要説明&下水汚泥燃料化施設

    [2]中部電力株式会社碧南火力発電所
    「下水汚泥から製造した炭化燃料を石炭代替燃料として利用」

    同発電所では、衣浦東部浄化センター内での燃料化施設で炭化処理され製造された下水汚泥化燃料を石炭と一緒に燃焼し発電に利用し、温室効果ガス削減に大きく寄与しています。


    【見学内容】
    はじめに、衣浦東部浄化センター会議室にて概要説明を受けた後、バスに乗車し、車中から下水汚泥炭化燃料用サイロ・木質バイオマス用サイロを見学させて頂きました。その後、2つの班にわかれて順番に4号機ボイラー屋上(約80m)、発電所内の微粉炭機、タービン発電機、中央制御室を丁寧な説明を頂きながら見学させて頂きました。現場では、温室効果ガスを削減する燃料を用いた発電を安定的に運用しているところが確認できました。また、電力の安定供給の為、日夜、緊張感をもって取り組んでいることがわかりました。

    4号機屋上&発電所内

    バイオマス混焼発電設備概略図

    バイオマス混焼発電設備概略図