研究会

2012年度 第2回循環ビジネス創出会議(ビジネスセミナー)
地域で取り組む愛知のゼロエミッション
〜「あいちゼロエミッション・コミュニティ構想」の実現を目指して〜

はじめに

EPOCでは、「あいちエコタウンプラン」を推進している愛知県と連携し、資源循環型社会の形成を促進することを目的として「循環ビジネス創出会議」を開催し広く社会の資源循環を推進しています。
さて、県内のそれぞれの地域には、下水汚泥や家畜排泄物、食物残さなど、様々な未利用資源が存在しています。これらを有効利用するため、企業や自治体、大学等がネットワークを組み、連携・協働して地域内循環をすすめようとする新たな試みが始まっています。
本セミナーでは、地域内ゼロエミッションに取り組む3つの事例を紹介し、それらを参考にパネルディスカッションを実施し、今後の地域特性に合わせた新しい環境ビジネスの拡大の可能性と、それに向けての課題について検討しました。


開催日時 平成24年9月18日(火曜) 13時15分〜16時20分
開催場所 愛知県産業労働センター 「ウインクあいち」5階 小ホール1
参加者 96名

プログラム

13時15分〜13時25分 開会挨拶・説明
愛知県環境部資源循環推進課長 植家仁氏


13時25分〜14時00分 事例紹介1
「広域・産学官民・農商工観連携による豊川バイオマスパーク化実証事業」
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 准教授 大門裕之氏


14時00分〜14時30分 事例紹介2
「産廃処理業者による知多半島の耕作放棄地を活用したゼロエミッション・コミュニティ構想の取組について」
株式会社エイゼン 専務取締役 永田幹人氏


14時30分〜15時00分 事例紹介3
「農協による 豊川地域食品残さ養豚飼料化推進プロジェクト」
ひまわり農業協同組合 営農部畜産課 課長補佐 三石達夫氏


15時10分〜16時20分 パネルディスカッション


    • 事例紹介1

    「広域・産学官民・農商工観連携による豊川バイオマスパーク化実証事業」
    豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 准教授 大門裕之氏


    豊橋技術科学大学が文部科学省の支援を得て取り組んでいる「豊川浄化センターをバイオマスパーク化する試み」についてご紹介頂きました。今後、下水汚泥や様々なウエットバイオマスからバイオガス、肥料、海藻やトマト等をつくる実証試験を進め、近年中にバイオマスパークを完成させる予定であり、完成すれば、日本国内のみならず発展途上国への展開も視野に入れていらっしゃるとのご説明を頂きました。


    • 事例紹介2

    「産廃処理業者による、知多半島の耕作放棄地を活用したゼロエミッション・コミュニティ構想の取組について」
    株式会社エイゼン 専務取締役 永田幹人氏


    知多半島バイオマス利活用推進計画の一環として取り組んでいる「遊休農地での飼料作物生産事業」及び「食品残さを活かした飼料の地産地消化エコフィードの推進」についてご紹介頂きました。遊休農地での飼料作物生産により、知多半島2市3町において合計181,668uの耕作放棄地が解消され、家畜糞堆肥利用が促進されました。また、食品残さを分離・選別し、飼料としての利用を推進しているとのご説明を頂きました。


    • 事例紹介3

    「農協による 豊川地域食品残さ養豚飼料化推進プロジェクト」
    ひまわり農業協同組合 営農部畜産課 課長補佐 三石達夫氏


    JA(農業協同組合)が中心となって取り組んでいる「食品残さの飼料化ネットワーク」についてご紹介頂きました。産業廃棄物業者・畜産農家とネットワークを活かし、地域の食品工場から排出される食品残さを回収し、調整後乳酸発酵処理を行って、高い品質と低コストを両立させた養豚用液状飼料の製造販売を行なうことにより、地域全体の食品残さの飼料化ネットワークを推進しているとのご説明を頂きました。


    • パネルディスカッション

    コーディネーター
    豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 准教授 大門裕之氏
    パネリスト
    株式会社エイゼン 専務取締役 永田幹人氏
    ひまわり農業協同組合 営農部畜産課 課長補佐 三石達夫氏
    テーマ
    地域内ゼロエミッションの可能性と今後の展望について


    取り組みの際の課題や事業の持続性の確保、補助金のメリット、デメリットについて会場の参加者の皆様からも意見を頂戴し、有意義な議論をすることができました。地域特性に合わせた新しい環境ビジネスの拡大の可能性については、課題が残っているものの、今後の展望について大きな期待が寄せられました。


以上