| ■日 時 | : | 2025年10月29日(水曜日)14時00分〜16時20分 |
| ■場 所 | : | 電気文化会館 5階 イベントホール |
| ■参 加 者 | : | 当日参加者数 80名 |
| ■主 催 | : | 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC) |
| ■後 援 | : | 経済産業省 中部経済産業局 環境省 中部地方環境事務所 一般社団法人中部経済連合会 名古屋商工会議所 一般社団法人中部産業連盟 一般財団法人省エネルギーセンター東海支部 |

プログラム
【開会挨拶】
EPOC会長 勝野 哲(かつの さとる) 中部電力株式会社 代表取締役会長
EPOC会長 勝野 哲(かつの さとる) 中部電力株式会社 代表取締役会長
(要旨)
- EPOCは、中部地域の環境活動に熱意を持つ企業や団体が中心となって2000年に設立された。
- EPOCフォーラムは、毎年、環境分野・エネルギー分野などの情報提供や啓発を目的に会員はじめ一般の方を対象に開催している。
- 本日は、激動する国際情勢、深刻化する環境問題といった不確実な時代を新たな視点で構想するために、最新の気候変動・脱炭素社会構築に関する国際動向・国内動向についての講演をご用意した。
- ご講演を快諾いただいた講師のお二方に感謝申し上げるとともに、今回のフォーラムが皆様にとって充実したものとなることを祈念する。

【講演1】
「気候変動対策を巡る世界の情勢と日本が進むべき道について」
一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所
研究推進マネージャー(セキュリティ・サステナビリティ)
上席研究員 上野 貴弘(うえの たかひろ)氏
「気候変動対策を巡る世界の情勢と日本が進むべき道について」
一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所
研究推進マネージャー(セキュリティ・サステナビリティ)
上席研究員 上野 貴弘(うえの たかひろ)氏
(概要)
上野様からは、気候変動は世界的な課題であり、長年、国際間の協調・連携のもとで取り組みが進められてきた経緯にあるが、米国トランプ政権が誕生し、同政権はパリ協定を脱退するなど気候変動政策からエネルギー安定供給を重視する政策に方針転換したこと、EUでは「競争力」が最重要視され、気候変動政策はその要素のひとつであること、また、中国製品(再エネ、EV)が世界市場を席捲しつつあるが、再生可能エネルギー導入促進が過度な中国依存リスクになる懸念があること、資材価格高騰がエネルギーの脱炭素化に逆風となっている状況などを説明くださいました。わが国の国内政策については、脱炭素だけに振り切るのではなく、経済的な負担やエネルギー安全保障とのバランスを取りながら進めるという中道路線を維持すべきであるとのご提言をいただくとともに、GX(グリーントランスフォーメーション)は、このバランスを経済成長戦略として体系化したものであるとの説明をいただきました。
上野様からは、気候変動は世界的な課題であり、長年、国際間の協調・連携のもとで取り組みが進められてきた経緯にあるが、米国トランプ政権が誕生し、同政権はパリ協定を脱退するなど気候変動政策からエネルギー安定供給を重視する政策に方針転換したこと、EUでは「競争力」が最重要視され、気候変動政策はその要素のひとつであること、また、中国製品(再エネ、EV)が世界市場を席捲しつつあるが、再生可能エネルギー導入促進が過度な中国依存リスクになる懸念があること、資材価格高騰がエネルギーの脱炭素化に逆風となっている状況などを説明くださいました。わが国の国内政策については、脱炭素だけに振り切るのではなく、経済的な負担やエネルギー安全保障とのバランスを取りながら進めるという中道路線を維持すべきであるとのご提言をいただくとともに、GX(グリーントランスフォーメーション)は、このバランスを経済成長戦略として体系化したものであるとの説明をいただきました。

【講演2】
「日本のGX戦略と成長志向型カーボンプライシング」
脱炭素成長型経済構造移行推進機構(GX推進機構)
専務理事 重竹 尚基(しげたけ なおき)氏
「日本のGX戦略と成長志向型カーボンプライシング」
脱炭素成長型経済構造移行推進機構(GX推進機構)
専務理事 重竹 尚基(しげたけ なおき)氏
(概要)
重竹様からは、わが国はエネルギーの安定供給を大前提に、CO2排出削減と経済成長・産業競争力強化の同時達成を目指していること、そのためには、石炭や石油などの化石エネルギー中心の産業・社会構造から、CO2を排出しないクリーンエネルギー中心に転換する「グリーントランスフォーメーション(GX)」の成否が鍵となることを説明いただきました。通常、英語では「グリーントランジション」の方が素直であるが、政府が「グリーントランスフォーメーション」と造語したことに意味があるとのことです。
GX推進機構は「GX推進法」に基づいて設置された経済産業省の認可法人であり、その役割は官民で150兆円超のGX投資を実現するため、民間金融機関等が取れないリスクを補完する金融支援、成長志向型カーボンプライシング制度の運営(2026年度〜排出量取引制度、2028年度〜化石燃料賦課金、2033年度〜発電事業者への有償オークション)、GXに関する企業間もしくは官民の連携支援・GX政策の持続可能性の研究・発信という3つに区分されることや、2026年度から本格的に開始される排出量取引制度の検討状況について説明をいただきました。
重竹様からは、わが国はエネルギーの安定供給を大前提に、CO2排出削減と経済成長・産業競争力強化の同時達成を目指していること、そのためには、石炭や石油などの化石エネルギー中心の産業・社会構造から、CO2を排出しないクリーンエネルギー中心に転換する「グリーントランスフォーメーション(GX)」の成否が鍵となることを説明いただきました。通常、英語では「グリーントランジション」の方が素直であるが、政府が「グリーントランスフォーメーション」と造語したことに意味があるとのことです。
GX推進機構は「GX推進法」に基づいて設置された経済産業省の認可法人であり、その役割は官民で150兆円超のGX投資を実現するため、民間金融機関等が取れないリスクを補完する金融支援、成長志向型カーボンプライシング制度の運営(2026年度〜排出量取引制度、2028年度〜化石燃料賦課金、2033年度〜発電事業者への有償オークション)、GXに関する企業間もしくは官民の連携支援・GX政策の持続可能性の研究・発信という3つに区分されることや、2026年度から本格的に開始される排出量取引制度の検討状況について説明をいただきました。

フォーラムを終えて
今回のEPOCフォーラムが、参加してくださった皆様にとって激動する国際情勢と深刻化する環境問題といった不確実な時代における針路を考えるためのご参考になったとしたら幸いです。
ご講演いただいた講師の方々、熱心にご質問をしてくださった参加者の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げるとともに、EPOCは今後も会員や地域の皆様のお役に立てるよう、勉強会や交流会等を開催して参りますので引き続き、ご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。
ご講演いただいた講師の方々、熱心にご質問をしてくださった参加者の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げるとともに、EPOCは今後も会員や地域の皆様のお役に立てるよう、勉強会や交流会等を開催して参りますので引き続き、ご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。


