フォーラム等

EPOCフォーラム報告書

 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)では、2024年度EPOCフォーラムを開催しました。
 今回は、「エネルギー・気候変動問題」をテーマとし、基調講演では、政策アナリストであり社会保障経済研究所代表の石川和男様より、エネルギー・環境を巡る世界と日本の動きについてご講演いただきました。また、事例紹介では、一般財団法人日本気象協会様より、洋上風力発電の開発支援に関する取り組み、三井住友海上火災保険株式会社様より、気候変動の損保事業への影響、対応保険商品・サービスについて、お話いただきました。

■日   時 2024年9月4日(水曜日)14時00分〜16時40分
■場   所 ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋
■参 加 者 当日参加者数 95名
■主   催 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
■後   援 経済産業省 中部経済産業局
環境省 中部地方環境事務所
一般社団法人中部経済連合会
名古屋商工会議所
一般社団法人中部産業連盟
一般財団法人省エネルギーセンター東海支部
EPOCフォーラム

プログラム

14時00分〜14時05分 【開会挨拶】
EPOC会長 勝野 哲 中部電力株式会社 代表取締役会長
EPOC会長 勝野 哲 中部電力株式会社 代表取締役会長

14時05分〜15時15分 【基調講演】
「エネルギー・環境を巡る世界と日本の動き 〜 日本はどこまで世界に付き合うべきか?」
 社会保障経済研究所 代表  石川 和男 氏
 石川様からは、脱炭素に向けた世界と日本の取り組みの現状、課題を詳細な数値データを用いてご説明いただきました。世界のエネルギー消費をみると、いまだ約8割を化石燃料が占める現状にあって脱炭素に向けた道のりは険しいことが示されました。特に、エネルギー資源のほぼ全量を輸入に頼るわが国としては、エネルギーの安定供給の観点から脱化石燃料、脱石炭火力発電が現実的に難しいことが理解できました。一方で、脱炭素目標の進捗が欧米諸国に比べて順調に推移しているわが国の取り組み状況も踏まえ、わが国は自らの考え・立場を国際社会に主張すべきであると訴えられました。
 また、脱炭素に向けて、再生可能エネルギー導入拡大の課題に触れられるとともに、エネルギーの安定安価な供給のため原子力発電の活用を説明いただきました。
社会保障経済研究所 代表 石川 和男 氏

15時30分〜16時05分 【事例紹介 ①】
「日本における洋上風力発電導入促進に向けた日本気象協会の取り組み」
 一般財団法人日本気象協会 環境・エネルギー事業部 部長  佐々木 寛介 氏
 佐々木様からは、わが国が野心的な導入目標を掲げる洋上風力発電に関する日本気象協会様の取り組みをご紹介いただきました。
 日本気象協会様では、発電事業者をサポートするため、洋上風力発電の各ステージで必要となる、調査・解析・情報提供等をワンストップで対応する体制を構築されています。洋上風力発電の開発で重要な評価要素となる風車への鳥類衝突(バードストライク)や渡り鳥への影響の調査や、事業性を左右する風況観測、風力発電の出力予測の取り組みなどをご説明いただきました。
一般財団法人日本気象協会 環境・エネルギー事業部 部長 佐々木 寛介 氏

16時05分〜16時40分 【事例紹介 ②】
「気候変動の損保業界への影響、対応保険商品・サービス」
 三井住友海上火災保険株式会社 経営企画部・SX推進チーム長  有働 佳晃 氏
 有働様からは、近年の自然災害では1980年代に比べ世界全体の経済的損失が約8倍にも拡大しており、気候変動への対応が損害保険事業の持続可能性を左右する「最優先課題」となっている現状を紹介いただきました。そのうえで、保険本来の役割である事故発生時の損失補償の範囲を越えるサービスとして、「防災アラートサービス」などの事故発生前の予防サービスの他、火災事故による設備被害の原状復帰費用に加えて脱炭素設備の追加費用も補償する保険サービスなどの気候変動対応商品・サービスの取り組みをご説明いただきました。
三井住友海上火災保険株式会社 経営企画部・SX推進チーム長 有働 佳晃 氏

フォーラムを終えて

 今回のEPOCフォーラムを通じて、エネルギー・気候変動問題の現状や課題について幅広い視野で捉えるとともに、気候変動対応を事業機会に活用している事例について、ご理解を深めていただくことができたかと存じます。
 ご講演頂いた講師の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げるとともに、EPOCは今後も会員や地域の皆さまのお役に立てるよう、勉強会や交流会等を開催して参りますので引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。