EPOCフォーラム報告書
はじめに
環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)では、2018年度EPOCフォーラムを開催しました。今回のフォーラムでは、本年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画の考え方と今後の政策展開についての基調講演と、再生可能エネルギーを含む、エネルギーシステム改革実現の基盤となる制度や仕組み、技術開発等について事例紹介を頂きました。
- 日時:
- 2018年10月31日(水曜日)13時20分〜19時
- 場所:
- ANAクラウンプラザホテル グランコート名古屋
5階 ローズルーム
- 参加者:
- 107名
- 主催:
- 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
- 後援:
- 経済産業省 中部経済産業局、環境省 中部地方環境事務所、
- 一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所、
- 一般社団法人中部産業連盟、
- 一般財団法人省エネルギーセンター東海支部
プログラム
13時20分〜13時25分 |
【開会挨拶】
EPOC会長 柘植 康英
東海旅客鉄道株式会社 代表取締役会長
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13時25分〜14時45分 |
【基調講演】
「第5次エネルギー基本計画と政策展開について」
経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部 政策課長 山影 雅良 氏
第5次エネルギー基本計画で示された2030年エネルギーミックスの実現と、2050年に向けたエネルギー転換・脱炭素化の政策展開について、ご講演いただきました。
2018年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画について「3E+S」に基づいた対応方法や主な施策、エネルギーミックス実現に向けた取り組みの進捗と課題、省エネ・再エネ政策対応の方向性、そして2050年に向けて、エネルギー転換・脱炭素化への挑戦としての水素戦略、これまでの延長ではない非連続的なイノベーションの必要性とそれに向けての挑戦など、今後の政策課題について、大変分かりやすくご講演を頂きました。
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14時45分〜14時55分 |
【休憩】
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14時55分〜15時40分 |
【事例紹介】
(1)「電力広域的運営推進機関の取組みと電力システム改革の今後 〜間接オークションの導入、新市場の設立への取り組み〜」
電力広域的運営推進機関 企画部長 進士 誉夫 氏
電力広域的運営推進機関の概要・役割、間接オークションの導入、容量市場の検討、調整力と需給調整市場の導入などの将来課題について、ご講演いただきました。
10月より導入された間接オークションの仕組み、新たな課題として取り組んでいる容量市場についての様々な角度からの検討状況、2020年を目途とした調整力の柔軟な調達や取引を行うことができる需給調整市場の創設などについて、大変貴重なお話を伺うことができました。
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15時40分〜16時25分 |
【事例紹介】
(2)「電力取引の仕組みとJEPXの今後の取り組み」
一般社団法人日本卸電力取引所 企画業務部長 國松 亮一 氏
電力取引の仕組みと非化石価値取引について、ご講演をいただきました。
日本の電力自由化と日本卸電力取引所の沿革、日本卸電力取引所が開設しているスポット市場や当日市場の仕組み、電気そのものの価値と電気に付帯する価値を切り離し実現した非化石電源価値取引の仕組みと今後の課題などについて大変参考になるお話を伺うことができました。
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16時25分〜17時10分 |
【事例紹介】
(3)「デジタルグリッドの事業紹介とブロックチェーンを用いた環境価値の取引について」
デジタルグリッド梶@代表取締役会長 阿部 力也 氏
デジタルグリッド株式会社の事業紹介、北海道全道でのブラックアウトの分析も交え電力の需給バランスを強化したセルグリッドへの転換の必要性、デジタルグリッド技術やブロックチェーン技術を活用した電力融通・電力識別サービスを目指した実証事業などについて、ご講演を頂きました。実際にデジタルグリッドルータもお持ちいただき、最新の知見を使ったご説明で、大変興味深くお話を伺うことができました。
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17時30分〜19時00分 |
【交流会】
基調講演・事例紹介後には交流会を開催し、講師を含め、業種・業態の枠を超え会員相互の交流を深めることができました。
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フォーラムを終えて
エネルギー政策には、安全性を大前提とした上で、安定供給、経済効率性、環境適合の観点から多様なエネルギー源を組み合わせることが求められています。今回のフォーラムを通じて、第5次エネルギー基本計画における2030年エネルギーミックスの実現と、2050年に向けたエネルギー転換・脱炭素化への挑戦的な政策展開、そして、今回主力電源化が盛り込まれた再生可能エネルギー普及の土台となる市場制度の創出や運営、電力の系統連携の制約を克服する技術開発等の企業の取り組みについて、ご理解を深めていただくことができたかと存じます。
ご講演頂いた講師の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げるとともに、EPOCは今後も会員企業の皆さまにお役に立てるよう、勉強会や交流会等を開催してまいります。また、地域の皆さまとともに環境活動にも取り組んで参りますので、引き続きEPOCに対するご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。
環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)会長会社事務局
東海旅客鉄道株式会社 総合技術本部 技術開発部