視察・調査

EPOC低炭素社会分科会「中電メガソーラーたけとよ&碧南火力発電所視察」

【はじめに】

低炭素社会分科会では、低炭素社会に向けた先進取り組み事例や革新技術の調査・研究を通じ、EPOC会員各社のレベルアップと相互交流ならびに連携の促進を図っています。
今回は今年10月31日に運転が開始されたばかりの大規模太陽光発電所『メガソーラーたけとよ』及び石炭火力としては国内最大の『碧南火力発電所』を訪問し発電の仕組みやエネルギーの効率化、また環境への取り組みについてご紹介頂きました。また、碧南火力発電所に併設のへきなんたんトピア内の電力館を訪問し電力や環境について学習させて頂きました。


開催日時 2011年11月25日(金曜日) 9時30分〜17時30分
見学先 1.メガソーラーたけとよ
2.碧南火力発電所
3.へきなんたんトピア
参加者 66名

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    1.メガソーラーたけとよ発電所(愛知県知多郡武豊町字竜宮)


    【概説】

    『メガソーラーたけとよ』は今年10月31日に運転を開始したばかりの中部地区最大級の大規模太陽光発電所です。ナゴヤドーム約3個分に相当する敷地内(約14万平方メートル)に縦約1.3メートル横約1メートルの太陽光パネルを39,168枚設置しています。太陽光パネルすべてに光が当たりやすいように、真南に向けて地上に対して20度の傾斜をつけています。年間の発電量は約730万kWを見込んでおり、これは一般家庭約2,000世帯分の年間使用電力量に相当します。

    「太陽光パネルと発電電力表示板」と「太陽光発電のしくみの説明」の写真

    視察ではPRホールにおいて映像や模型で太陽光発電の仕組みや特徴をご説明いただき、展望台からは『メガソーラーたけとよ』の全景を一望させて頂きました。幸い、天候にも恵まれ、太陽の光を受けてきらきら輝く太陽光パネルに一同、感嘆の声が上がりました。また、その発電量は発電電力表示板に表示され、太陽光発電による発電量を実際に確かめることができました。


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    2.碧南火力発電所(愛知県碧南市港南町)


    【概説】

    碧南火力発電所は石炭火力としては国内最大、世界でも最大級の発電所であり、発電所の主要設備であるボイラ、タービン、発電機に加え貯炭場、灰捨地、環境設備等の石炭火力発電所特有の設備が配置されています。各設備を見学し、火力発電所の仕組みやバイオマス混燃発電への取組みについてご説明頂きました。また環境に配慮した様々な最新鋭の設備を見学することができました。

    「碧南火力発電所」と「貯炭場」の写真


    【環境へ配慮した施設】

    排煙脱硫装置 硫黄酸化物を石灰石と反応させ、有用な石こうとして抽出
    排煙脱硝装置 窒素酸化物を無害な窒素と水に分解
    集じん機 集じん装置により、ばいじん排出量を低減
    しゃ風フェンス 貯炭場周辺に高さ18-20mのフェンスを設置、石炭粉じん飛散防止
    総合排水処理装置 発電所にて発生する排水をすべて処理し、きれいな水として排水
    温排水対策 深層から取水、表層へ放流をゆるやかな流速とし周辺海域への影響を減少
    環境測定器の設置 煙道に二酸化硫黄及び窒素酸化物測定装置等を設置、監視
    騒音防止対策 防音壁の設置、消音器の取り付け等により騒音を防止
    自然エネルギーの有効活用 風力発電設備の設置、電力館屋上の太陽光装置の設置
    緑化 発電所の敷地の約25%を緑化
    防災体制の充実 所内に化学消防車や高所放水車を配備
    石炭灰対策 セメント原料等に有効利用、一部は処理後、灰捨地へ埋め立て

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    3.へきなんたんトピア(碧南火力発電所併設)


    へきなんたんトピアには、芝生広場を中心に体験花壇、ジャブジャブ池、キクガーデン、ハーブガーデンなどの庭園のあるヒーリングガーデンや野鳥池、自然観察施設があり散策しながら野鳥をはじめとする生き物を観察できるエコパークがあります。また、電力館では、石炭の持っている化石エネルギーが電気エネルギーになるまでの仕組みと環境を守るために処理する装置の働きを、いろいろなボールの動きであらわしている 『へきなんボールマシン』をはじめとする様々な展示装置が設置されており、実際に体験しながら、発電の仕組みや環境への取組みについて学ぶことができました。