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環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
平成15年度総会及び基調講演会・懇親会 |
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■EPOC総会 基調講演「松下電器産業の環境経営」
講師:松下電器産業株式会社 常務取締役 大鶴英嗣氏 |
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企業経営にいち早く環境問題への対応を取り入れ、まさに今日言われている循環型社会を先取りした松下電器産業の環境経営について大鶴英嗣氏に講演していただきました。 |
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1. 松下電器が目指す方向
松下電器グループではグローバルに21世紀初頭を目指して大きな事業テーマを二つ掲げている。一つはユビキタスネットワーク社会の実現であり、もう一つが地球環境との共存である。この地球環境との共存を目指すに当たって以下に述べる7つのチャレンジを掲げている。(この後、松下電器の環境への取組みビデオを挿入)
2. 7つのチャレンジ概要
@ 環境立社へのチャレンジ
1991年に環境宣言を制定し、ET2(Environmental Technology & Ecological Thinking:環境技術&エコロジー思考)をベースに7つの分野で環境ビジョンを設け、各々定められた具体的な目標に向かって行動計画を決めている。
A「新しい豊かさ」へのチャレンジ
「Panasonic ideas for life」の中で地球環境と共存する「新しい豊かさ」を目指している。「新しい豊かさ」とは、環境への影響を限りなく減らしながら生活の質を高めることであり、その指標として「ファクターX:環境効率の向上倍率」を導入している。
B「スーパーGP」へのチャレンジ
エネルギー消費において家庭での消費が増加しており、家電メーカーとして着目している。スーパーGP(Green Product)の一つの目標として、家庭部門での2010年への省エネ目標を30%省エネとし、これに見合った省エネ商品を提供することが重要だと思っている。
Cグリーン調達へのチャレンジ
グリーン調達に対してはグリーン調達基準書と化学物質管理ランク指針を定めている。ポイントとしては、購入先にはISO14001を取得して頂くことや、取引基本契約書に有害物質対応を追加して頂くこと等を前提としており、有害物質の不使用保証書の提出や化学物質含有量データの提出等をお願いしている。また、RoHS指令に対して1年前倒しで全製品対応する。
D「商品から商品へ」のチャレンジ
リサイクルへの取組みについては、(株)松下エコテクノロジーセンターにおいて自らの手の内でリサイクルの取組みを行っている。
Eクリーンファクトリーへのチャレンジ
CO2排出量について2010年に1990年比7%の削減を目指し、そのために毎年前年比で素材系の工場では7%省エネ、完成品工場では3.5%省エネを目標として取組んでいる。廃棄物の削減については2002年度には目標の98%を達成しているが、さらに排出した廃棄物を最後まできちっとフォローできるシステム(e−マニフェスト)を導入していく予定である。その他物流のグリーン化や環境リスクマネジメントにも取組んでいる。
F環境コミュニケーションへのチャレンジ
環境情報の開示については、思っていることを発信していろいろな形でご意見を賜り更に高めていきたい。一方、社会人・市民として環境に取組む活動ではLE(Love
the Earth)活動を展開している。また、情報の受発信基地として有明にパナソニックセンターを設立し、外部のいろいろなご意見をお聞きしている。
3. 終わりに
「地球環境との共存」を目指すためにこれらの7つのチャレンジを国内だけでなく世界に発信し、また国の政策へ反映させることが出来るように更にチャレンジを進めていきたい。環境については一つ一つの会社の問題ではなく、社会全体で取組んでいく必要があると思います。
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<講師プロフィール> |
大鶴 英嗣 |
【略歴】
松下電器産業株式会社 常務取締役
施設管財・品質・環境担当
再商品化事業推進担当 |
1967年 |
九州工業大学工学部機械工学科卒業
松下電器産業株式会社 入社 |
1998年 |
取締役に就任
生産技術本部長
品質本部・資材部担当、精機事業部担当 |
1999年 |
松下電子工業株式会社 電子管社 社長 |
2001年 |
松下電器産業株式会社
ディスプレイデバイス社 社長
常務取締役に就任 |
2002年 |
品質・環境担当
ディスプレイデバイス社 社長 |
2003年 |
施設管財・品質・環境担当
再商品化事業推進担当 |
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