第17回EPOC視察調査EXPOプレエコツアー
「新エネルギー施設研修会"中部の誇る最新新エネ施設"」
 
視察目的
地球温暖化防止のため導入が急務となっている新エネルギーについて、企業担当者に実際に施設を見学して頂くことにより、理解を深め、新エネルギー導入について考えて頂く機会とする。

視察日時
平成16年12月3日(金)08:30〜17:00

参 加 者
一般参加者 41名、事務局 4名   計45名

視察先・講演の概要

(株)青山高原ウィンドファーム
photo(株)青山高原ウィンドファームは、日本の環境エネルギー政策のなかで、地球にやさしいクリーンな電力を供給することを目的とし、青山高原の美しい自然との調和を図りながら、本州最大級の風力発電所として建設された。
風力発電建設の条件として「年間平均風速7.6m/s」・「アクセス道路がある」・「近くに特別高圧線がある」・「周囲に居住地がない」ことに加え、自然公園法・森林法の許認可取得、県民アンケートで約75%の賛同が得られたことなどがあげられる。
施設は、JFEエンジニアリング製の風力発電機で、ローター直径50.5m・タワー高さ50mの設備で1基あたりの発電能力750kwを20基備え、最大出力15,000kwの発電規模で年間稼働率は90%以上である。
発電された電力は電力会社へクリーンエネルギーとして供給されている。
また、久居市直営の発電設備4基(3,000kw)も設置されている。

中部電力(株)
川越火力発電所「燃料電池発電システム」

photo川越火力発電所は、世界最大級の発電所で約480万kwの発電能力を有し、熱効率にすぐれ、クリーンな発電所として地域に親しまれている。
人にやさしい環境に配慮し、制御室も従来は現場密着型であったのを、TVカメラ・遠隔装置等の設置により、事務所と同じ場所に制御室を設けている。また、現場では山側・海側を絵で表示、各タービンに番号表示する等のヒューマンエラー防止の配慮がされている。
また、川越火力発電所内で平成7年より溶融炭酸塩型燃料電池発電システム技術研究組合によって溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の開発研究が行われている。
燃料電池は、燃料(水素)の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる高効率でクリーンな「化学力発電装置」で、なかでもMCFCは高い発電効率が得られ燃料源に対する制約がなく、且つ、規模的にも移動用(自動車・スペースシャトル)から在来火力代替の大容量発電等、様々な分野に適用できる。
MCFCは、発電効率が高い・高音で作動(排熱の利用)・CO被毒がない・主な構造材が金属・環境性が良い等の特徴を持っている。
基礎研究から始まり、現在は実用技術開発の段階で、将来の幅広い用途に適用可能な高性能かつ低コストのMCFC発電技術の研究を行っている。

所 感
新エネルギーは、環境へ与える負荷が小さいクリーンエネルギーであり、石油エネルギー依存度低下に資する石油代替エネルギーとして、地球環境問題への対応に必要不可欠なものである。
今後、各企業での導入促進並びに持続可能な社会の形成実現・新エネルギー普及のための研究開発及び実用化検討の推進に期待する。
前のページに戻る