【訪問場所】
    チェコ産業連盟 本部 会議室

【対応者】
  Dagmar Kuchtova(チェコ産業連盟)
Oldrich Korner(チェコ産業連盟)
RNDr. PETR HORACEK(チェコBCSD)

【プレゼンテーション及びディスカッションの内容】
  【チェコ産業連盟】
・組織概要
1990年に設立された非政府の自主的組織で、32の団体と150名の企業経営者で構成されており、加盟企業の労働者はおよそ100万人に及ぶ。 参加企業の96%は私企業で、4%が鉄道などの国営企業。
・ 活動内容
政府に対し、企業経営者の立場からの意見を反映させ、円滑な経済活動を促進するための政策や法案を立案・検討することが目的。政府より大臣4名 ・副大臣3名、労組、企業経営者より各7名の21名で構成する常設会議が設定されている。環境対策はもちろん、税制、医療、教育など様々な法案や政策の検討の他、OECDでの活動をはじめ世界各国40の団体と国際協力を行っている。


【チェコBCSD】
・ 組織概要
1993年に設立された非政府の自主的組織で、国際機関の一つ。国内の他の2つの組織と協力して環境政策を推進し、環境省から受賞の実績がある。
・ 活動内容
法案制定に当たって環境対策を取り入れることを前提に、環境省、産業連盟と相互協力協定を締結。3者間の会議を主催し、環境問題の専門的なバックアップ機関として、産業連盟の環境基本方針を作成。環境省と協力して90年代の環境対策の実績をまとめ、データを作成してPRに努めている。また、マスコミと協力して、劣悪な環境下にある地域の復興円卓会議を開催するなど、国際協力も積極的に行っている。


【チェコ共和国の環境への取組について】
旧共産政権下では、GDP当りのSO2排出量が欧州でワーストに入るなど、環境対策が大きく立ち後れていた。89年末の共産政権退陣に伴い、環境問題に対する関心が高まり、積極的に環境対策に取り組むようになった。
産業構造も鉄鋼業偏重の製造業から第3次産業へのシフトが進んでおり、全国的に環境負荷が軽減され、現在は、GDPに占める環境投資の割合も2.5%とOECDではトップとなり、環境面で欧州の優良国となった。
特にSO2の排出量はOECDの平均値を下回り、この15年間で88%の削減を果たした。
また、排水汚染も80年代に比べ、90%近く削減している。環境改善が進んだ理由の一つとして、石炭から原子力発電へのシフトが挙げられ、原子力発電所の新規建設に伴って、非効率な火力発電所を順次閉鎖することとしている。

【視察の成果とEPOCへの提言】
  経済状況、国家体制とあらゆる面で異なったチェコの環境に対する取組の歴史を知ることによって、環境政策がいかに重要な課題であるかを、地球上の全ての国が早急に認識しなければならないと感じました。
EPOCとしても、一つでも多くの企業が、また一人でも多くの人が環境問題に目覚め、行動を起こすよう、様々な業種の企業が一つの目的に向かって活動するための大きな基盤として着実に成長していかなければなりません。