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訪問場所

エターネット社
 
対応者
Mr. Jurgen Petroll
 
ディスカッションの内容

(1)会社概要
STEAG Energie-Contracting GmbH(SEC)は、ドイツにおいて産業界と自治体向けエネルギーサービスの先進的なプロパイダーであり、特定地域おける供給ソリューションを専門としている会社である。
当地区の産・官の市場経済に対して、熱・電力・圧搾空気・冷却の供給義務に関する責任を担っている。

(2)視察場所
SEC敷地内の建屋の炉と屋外のバイオマスの炉(メンテナンス中で休止)。

(3)見学概要
SECには、18MW/h(お湯)と9KW/h(蒸気)出力の2基の炉を有しており、この内、バイオマス炉は蒸気のみを生産し、その燃料として、4,000t/年の木材(廃材)を必要とする。
化石燃料を利用する場合、26MW/hの出力が可能であるが、バイオマスの場合、6.5MW/hの出力に留まる。この内30%に相当する2MW/hは、60℃で工場内の暖房と建築木材の乾燥用に利用している。

地球温暖化や有限の化石資源に対する危惧が囁かれる中、バイオマスはカーボンニュートラルで持続可能なエネルギーとして近年注目を集めている。
EUは2010年までに、再生可能エネルギーのシェアを6%→12%とし、石油2,000万t相当の化石燃料の削減計画をもっているが、太陽発電や風力発電に比べて投資負担の少ないバイオマスはその最有力メニューといえる。

 
視察の成果とEPOCへの提言
日本の木材生産量は60年代の1/3程度まで落ち込んでおり、伐採されず手付かずとなっているケースも珍しくないが、森林面積はドイツの3倍弱である。
潜在的なバイオマス資源の量は十分と考えられ、生産されたエネルギー以外に廃熱利用による産業の活性化も期待できる。
バイオマスの持続的活用は、産業界・自治体・住民一体となった取組が成功の前提条件であるが、その効果は林業や地域経済の活性化に留まらず、化石燃料の節約によるCO2の排出削減による、地球環境保全にも一役立てる重要な行為であり、真摯に取り組むべき課題である。
 
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