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訪問場所

フラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所
 
対応者
Ms. Karin Scneider(広報担当)、前田成子氏(通訳・フライブルグ市案内)
 
ディスカッションの内容
(1)フラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所
フラウンホーファー財団の中の物理応用研究所としてドイツ最大級のソーラーエネルギー関連の研究を行っている。
フラウンホーファー財団は社団法人(スタッフ:11,000人、予算:9億ユーロ)で、科学技術庁・各州からの財源の他、産業界・技術開発庁等から研究委託金を得て各プロジェクトを実施している。
研究所長が学術的な教鞭を大学でとっている等、フラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所と大学との連携も深い。
 
◇フラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所の取組
・建造物の研究:ソーラーパッシブハウス等、新エネルギー開発をコンセプトとした住宅の研究
・ソーラーセルのマテリアル研究:シリコン分野・V-X半導体分野等のソーラーセルの研究
・接続のないエネルギーサプライの研究
・分散的なエネルギーサプライ、貯蔵の研究
・水素テクノロジー研究(燃料電池の研究)

産学官の共同のもと先進的なソーラーエネルギー開発が行われ、またソーラーパッシブハウス・自給自足ソーラーハウス等、市や企業体を巻き込んで建設して研究に取り組んでおり、その取組の規模・積極性から研究所の大きな課題であるCO2削減をめざすべくソーラーエネルギー開発への強い意欲がうかがえた。

(2)フライブルグ市
環境先進国ドイツを代表する環境都市で、人間が自然と共生するエコポリスの実現に向けて様々な環境行政が行われ、地域システム政策(Regio政策)の核として研究開発期間とも連携をとりながら進めている。市民の環境に対する思い・取組も積極的で、エコ研究所・フラウンホーファー研究所等数多くの環境関係機関がフライブルグ市で活動している。交通対策・ゴミ処理対策等、フライブルグ市のオリジナルな取組が連邦レベルまで広がっている例も少なくない。

◇フライブルグ市での環境対策項目
・交通対策:「Regio環境カード」を利用した公共交通機関利用の奨励等
・都市対策:緑化対策、居住地開発対策、景観保護対策等
・ゴミ・廃棄物処理対策:ゴミ分離収集システムの徹底、ゴミエネルギーの再利用等
・エネルギー利用対策:ゴミガスエネルギーのコージェネレーション利用、太陽熱エネルギーの利用等
・森林対策:森林局、大学、州森林研究所での共同研究・対策

住民理解のもと様々な環境対策が施され、特に「Regio環境カード」を利用した公共交通機関利用の奨励は、公共交通機関を利用することによる住民メリットを高めると共に、楽しむ要素も含まれており、持続的に活動するための仕掛けが多く準備されていた。また、リサイクリングシステムに基づいたゴミ分離収集システムによるゴミ処理やソーラーエネルギー・ゴミエネルギー利用等循環型社会・資源節減を実現するためのモデルとして、おおいに見習うべき点があった。

 
視察の成果とEPOCへの提言
産学官の共同のもとでのフラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所でのソーラーエネルギー開発取組には、EPOCが求めているビジネスモデルのヒントが含まれているように思われる。
また、住民メリットを明確にしているフライブルグ市の取組では、住民にも上手く協調してもらうことにより持続的に活動しつづけられる事を教えられたようで、難しいことかも知れないが産学官プラス民が協調することで更にEPOCの活動が活発になり存在意義も高まるものと感じた。
 
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