第12回フォーラム「企業の環境情報開示とリスクコミュニケーションのあり方」
 
【はじめに】
企業は、様々な環境側面での対応課題を抱えており、しかも、それらの対応課題に関する取り組み状況を、消費者や地域住民等に積極的に情報開示(ディスクロージャー)することが求められるような時代となってきています。
平成11年7月に公布された「化学物質排出把握管理促進法(いわゆるPRTR法)」では、指定された化学物質を一定量以上扱う事業所に対してその化学物質を環境中に出した量(排出量)や廃棄物として事業所から外に出した量(移動量)の届出が平成13年度から義務付けられましたが、その全国集計結果が今年3月21日にはじめて公表されました。
今回EPOCでは、企業の環境情報開示とリスクコミュニケーションのあり方と題して、PRTR法制度を所管される行政担当者、化学物質と環境リスクの関係について先進的に研究されてきた学識者、企業のPRTR法制度対応をサポートする事業会社の経営者にそれぞれのお立場よりご講演いただきました。
 
開催日: 平成15年 7月 24日(木)13:30〜17:00
会 場: 産業技術記念館 大ホール
主 催: 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
後 援: 環境省、環境事業団、中部経済産業局
 
《プログラム》
13:30〜13:35 主催者挨拶(環境パートナーシップ・CLUB)
EPOC副会長 トヨタ自動車(株)代表取締役副会長 池渕 浩介
13:35〜13:45   来賓挨拶
経済産業省中部経済産業局長 細川 昌彦 氏

13:45〜15:00   「PRTR全国集計データの結果概要と科学物質管理制度の今後の展望」
環境省総合環境政策局環境保険部環境安全課長 安達 一彦 氏


講演概要
photoPRTRを所管する行政の立場より、PRTR制度概要、PRTR全国集計データの公表方法・平成13年度結果・今後の課題(円滑な運用・データ精度向上・活用方策の検討・実施)につき解説。また、「情報の整備」「対話の推進」「場の設定」といったリスクコミュニケーションに係る環境省の取組を紹介するとともに、PRTRデータの活用に際して事業者が講ずべき、「化学物質の管理の改善」「従業員教育への活用」「リスクコミュニケーションへの活用」といった管理措置につき解説。

15:20〜16:30 「企業の環境情報開示(ディスクロージャー)とリスクコミュニケーションのあり方」
横浜国立大学院環境情報研究院 浦野 紘平 氏


講演概要:
photo化学物質と環境リスクの関係について先進的に研究されてきた学識者の立場より、インターネットや環境報告書を活用した企業環境情報開示の望ましいあり方につき解説。また、市民団体、地域住民等と適切なリスクコミュニケーションを図っていくための基本的原則、体制整備、担当者役割、リスク比較における注意点、会合での応対等につき解説。

16:30〜17:00 「企業における化学物質管理と環境経営」
株式会社エコ・リサーチ代表取締役 樋口 正裕 氏


講演概要:
photoPRTR制度を有効に機能するために、新規事業として各社のPRTR情報の加工と管理を行なっている先進事例に尽き紹介。また、化学物質管理は環境経営(ビジネス)の重要な柱であり、グローバルな法規制動向の先取りと化学物質を軸とした先進的な製品、生産技術が環境経営を左右すること、社内外での情報の共有化、システム化が成功の鍵であることを説明。

   
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