第19回EPOC視察調査
「『日本一美しい村』に誕生したトヨタ白川郷自然学校体験入学」
 
視察目的
企業が取組む一般市民向けの環境教育の現場を体験するとともに、日頃は目にすることのできない自然森の探検を通じて自然の大きさ、自然の偉大さを実感すると共に、世界遺産に登録された白川郷で先人達が築いてきた「循環型モデル」への理解を深める。

視察日時
平成17年7月8日(金)09:00〜7月9日(土)15:00

参 加 者
一般参加者 25名、事務局 2名   計27名

視察先の概要
トヨタ白川郷自然學校

・施設概要
本施設は2005年4月に岐阜県白河村馬狩(まがり)地区に開校した。研修棟の他、宿泊棟(約100名収容可能)、レストラン、温泉も併設され、環境学習施設と自然の中のエコ・リゾートという二つの側面を持つ施設である。
白山麓の豊かな自然と世界遺産に登録されている白川郷の合掌集落の伝統文化の下、「自然体験」「伝統文化体験」「環境技術体験」の三つを柱とした自然体験型のプログラムが用意されている。
トヨタ自動車株式会社が白川村関係者、社団法人日本環境教育フォーラムの協力を得て設立した「NPO法人白川郷自然共生フォーラム」が、「日本一美しい村に、日本一の自然学校を」をスローガンに、トヨタ白川郷自然學校の運営ならびに地域の自然保全活動などに取り組んでいる。
施設建物では、木質バイオマス暖房(ペレットストーブ)や雪室冷房の他、風力発電・太陽光発電・自然採光・自然通風・高気密・高断熱・アースチューブ(夏期は空気冷却/冬期は空気加熱)等といった環境技術の利用、環境への配慮がなされている。
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・ブナの森ガイドウォーク
自然學校周辺の森にあるブナ林を回る2時間のプログラム。ブナ林にある伏流水の水源まで歩きながら、ブナに限らずツタウルシや水芭蕉など様々な植物や小鳥など森に棲む生き物についての興味深い話を伺うことができた。水源では、湧き水を飲んで喉を潤したが、湧き水の冷たさとほのかに甘味のある美味しさを堪能することができた。
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・モーニングガイド
自然學校の敷地内にある森を散策する早朝1時間30分のプログラム。キビタキの声に誘われるように森に入って行き、明け方の一層爽やかな空気の中での散策を楽しんだ。ブナの森ガイドウォークでは、主に視覚・聴覚で自然を感じたが、モーニングガイドでは嗅覚をテーマに杉、コシアブラ、ハイイヌガヤ、タムシバ等の植物の匂いを楽しみながら歩いた。
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白川郷
photo1995年12月世界遺産に登録された白川郷合掌造り集落を見学した。集落には113棟もの合掌家屋が点在するが、庄川に沿って南北に吹き抜ける風の抵抗を抑えるため、殆どの家屋が同じ方向に立てられており、非常に整った景観を有している。
 
 
 
所 感
トヨタ白川郷自然學校の自然体験プログラムではガイドを務めるインタプリターの方の解説を通じて、まさに自然の声を聴くことができ、自然についてより深い理解を得ることができた。
また、白川郷の里山にある植物が様々な形で合掌造りに用いられていることを知り、自然の偉大だけでなく、自然と共に生き、自然を上手に利用する地元の人々の知恵を学ぶことができた。

 
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