第20回EPOC視察調査
「愛・地球博裏側にかくれた先端技術の体験ツアー第2弾」
 
視察目的
「愛・地球博」のパビリオンやメインの展示では見ることのできない裏側の施設とEPOC会員企業のパビリオンの見学を行い、先進的な技術に触れる。

視察日時
平成17年8月18日(木)08:00〜17:00

参 加 者
一般参加者 25名、事務局 3名   計28名

視察先の概要
バックヤードツアー南コース
・新エネルギー施設
新エネルギー施設は、変動電源である太陽光発電及び風力発電設備と「固体酸化物形(SOFC)」「溶融炭酸塩形(MCFC)」「リン酸形(PAFC)」の3タイプの燃料電池発電、電力貯蔵システムを組み合わせ、「マイクログリッド」と呼ばれる小規模の電力網を構築している。
燃料電池の燃料として、万博会場の造成時に伐採された木材や、会期中に会場のレストランから出る生ゴミなどの生物資源「バイオマス」が利用されている。
さらに、燃料電池の排熱で冷水をつくり、NEDOパビリオン他会場施設の一部空調用としても利用されている。
新エネルギー施設で発電された電力は、長久手会場の「長久手日本館」の消費電力を100%賄い、併せてグローバル・コモン5にあるNEDOパビリオンにも供給されている。

・長久手日本館
長久手日本館は、巨大な竹ケージで覆われ、建物本体への日射量を約30%カットし、日差しを除け、風を通す木陰のような環境を創出している。屋根には光触媒金属を使用し、光触媒金属の特長である超親水性を活かして屋根面を冷却している。又、省エネルギー型廃水処理施設やバイオマスプラスチック外壁を採用している。
その他、電力エネルギーや中水の使用状況をはじめ、館内外の温度や日射量、風量といった環境変化をデータで把握分析することで、建築の環境配慮や、新エネルギー、省エネルギーといったさまざまな試みによる環境負荷低減効果の数値的な把握を行っている。

・水循環システム(水質浄化施設)
いのちにやさしい水循環をテーマに、会場内の蓮池から水を汲み上げ、水質浄化設備(セラミック膜)を用いて高度に浄化し、浄化した処理水は、くねくね散歩道の各施設で利用し、利用した水は、再度蓮池へ返送され、蓮池の水質改善を行っている。
 
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企業パビリオン
・三井・東芝館
「地球 生命(いのち)の輝き」〜新しい地球を次世代へ〜をテーマとしている。人間はすぐれた文明を次々に発達させてきたが、一方で自然や地球の環境を危機にさらしている。地球そのものが一つの生命体であることを真剣に考え、かけがえのない地球を守り、輝かせてこそ人間は本当に優れた生き物になることを訴えている。
世界初のエンターテインメント、ヒューチャーキャストシステムも話題の一つで、3Dスキャナーで取り込んだ来場者一人一人の顔情報が瞬時にCG化され「物語の登場人物」として活躍する画期的なシステムで、全ての来場者が出演者となることができる。

・三菱未来館
「もしも月がなかったら」をテーマに、月と地球の奇跡的なバランスの上に成り立つ地球環境の大切さを訴えている。
メイン・メッセージゾーンのIFXシアターでは、想像と無限、効果の3要素が一体となった、無限大に広がる空間を体感できる。
 
所 感
「愛・地球博」では、新エネルギーシステムの本格的な導入を図るための実証研究が行われている。
博覧会のメインテーマである「自然の叡智」を具現化する新エネルギーシステムの必要性、重要性を感じるとともに、地球環境にやさしい取り組みをひとり一人が実践することが必要不可欠であると改めて感じた。
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