啓発・交流部会啓発分科会では、(社)中部産業連盟との共催で、2月1日(木)14:00−16:30にじばさん三重(四日市市)で「中小企業環境セミナーin三重」を開催いたしました。
EPOC会員企業の方々をはじめ三重県内の中小企業および行政関係者の方々から74名のご参加をいただき、中小企業の環境行動への意識喚起、理解・認識の深化、事業活動への環境面でのサポートなどをはかりました。
 

  日 時:  2001年2月1日(木) 14:00〜16:30

場 所: じばさん三重(四日市市) 5階 大研修室

主 催: 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)、
(社)中部産業連盟

後 援: 経済産業省中部経済産業局、三重県、
(財)三重県産業支援センター

対 象: EPOC会員、
三重県内非会員中小企業および行政関係者

参加者: 74人(EPOC会員34人、非会員40人)

 
主催者挨拶:EPOC啓発・交流部会 啓発分科会運営会議リーダー 宮田英司
要旨: 以前は公害の町で有名でありその後公害を克服してきた四日市で開催できることをうれしく思う。
従来、企業にとって環境は、厄介者扱い、環境問題として捉えられていたが、経営の柱の一つとして取り上げられてくるようになり、最近ではもう一つ進んで経営戦略として、環境ブランド・イメージとして売っていく世の中になってきている。海外の投資会社の中には環境に無関心な企業には投資しないと断言しているところもあり、企業の中で、環境は重要な位置づけとなってきている。
本日のこの講演が皆様方にとりまして何らかのお役に立ちますことを望んでおります。
 
来賓挨拶:三重県農林水産商工部長 M田直毅 氏
要旨: 環境先進県を目指している三重県は、昨年2月にISO14001を取得したが,取得する中で職員自らの行動を環境にやさしい行動にしていくことで、結果的に経費節減に繋がっている。三重県の産業については、新しい企業起こし、既存の中小企業の高度化、企業誘致を3本柱として、産業構造を支えていきたい。
昨年4月に(財)三重県産業支援センターを立ち上げ、ワンストップでサービスできるシステムをつくった。ISO取得にあたり補助金等による支援も行っており十分ご活用・ご利用いただきたい。
本日ご参加されております企業の方々には、この講演・事例報告を参考にしていただき、環境保全と環境負荷低減への取り組みへ方向転換していただきますようお願いします。
 
講演T(株)デンソー 環境企画部長 山縣俊夫 氏
テーマ 「循環型社会に対応した環境行動への取り組みについて」
要旨: 循環型社会を維持できるかどうかは、江戸時代のようにほとんど人口も物価も変わらない、生産性は悪いし発展とは無縁の世界、我々がそういう時代を納得できるかどうかである。それができなければサステイナブルデベロップメントを実現しない限り環境問題は解決しない。
今までの製品の魅力は、たぐいまれなる機能・技術、たぐいまれなる品質・価格であったが、これからは、たぐいまれなる環境性を有するものへと変化している。
デンソーは、環境経営として、96年に自動車部品業界で初めてISO14001を取得し、98年までに国内生産拠点すべてで取得したが、生産工程中心のEMSになっていたように思う。製品の魅力という捉え方をすれば、商品企画、開発設計、生産技術工程からお客さまに使っていただき廃棄にいたるまでのトータルで考えていくべきである。そういう考え方に立って、グループ企業をはじめ材料部品を供給いただくサプライヤの方にも加わっていただき、グリーン調達、リサイクル、環境負荷、ゼロエミッション、CO2の削減とか社会的にどう評価されていくかも含め、グループとしてトータルで取り組んでいくシステムをつくっている。
 
講演U(株)ダイセキ 常務取締役 山本哲也 氏
テーマ 「企業間連携によるゼロエミッションの実現に向けて」
要旨: ダイセキは、産業廃棄物の中間処理を行っている会社で、限られた資源を活かして使うリサイクルを主体とした処理を行っている。ISO14001については環境に取り組む企業として積極的に取得を進めており、千葉、九州、北陸の事業所では取得済みで、残りの事業所でも今後取得していく。リサイクルは、資源となる廃油等廃棄物の性状を正確につかんで、それぞれに応じたリサイクル製品とするために分別管理が基本となっている。
EPOCのゼロエミッション事例研究会では、会員企業の廃棄物発生抑制・リサイクルの具体的取り組みについてアンケート・ヒアリング調査を行い事例集として3月末にまとめ上げる予定であり、参考とされたい。
 
事例報告1:(有)三重緑地 代表取締役社長 河村 止 氏
テーマ 「農業と循環型社会」
要旨: 農業は環境を考えてやらなければならないという使命感、企業として当然環境を守っていかなければならないということで、ISO14001を農業で初めて1999年9月に取得した。
従来、農業といえば農学部という分野に限られていたが、これからは、環境問題という視点から食品、健康、生態系などあらゆる分野との連携が必要となっている。たとえば、工場緑化・公園に植えられている木はほとんどが薬草に活用できるし、ぎふチョウに必要な花は、スミレとかタンポポなどの吸密の花だけでなく、かんあおいのような卵を生み付ける花が必要である。人間は病気にならなければ100才まで健全に生きられるという。さまざまな環境問題に対し、農業を通じて手助けしていきたい。
 
事例報告2:住友電装(株)環境管理部担当部長 三輪信吉 氏
テーマ 「ISO14001の取得について−道具としてのISO14001」
要旨: 住友電装は、地球環境・地域環境保全への企業としての貢献、持続的に発展できる経済社会への社会的責任、市場競争力の向上、リスク管理、経費削減および技術力向上などを目指して環境保全システムを構築することとし、そのための道具としてISO14001を活用した。ISO14001はシステムとしての完成度が高く継続的改善の思想とか簡潔で分かり易く実行しやすい特徴がある。このISO14001を活用して環境パフォーマンスを向上させ、お互い地球環境・地域保全に企業として貢献するようにしましょう。
 
事例報告3:(株)三重電子計算センター 取締役総務部長 落合 貢 氏
テーマ 「地域社会への貢献と環境行動」
要旨: 三重電子計算センターは、環境負荷の小さい事業内容であるが、地域密着型で育ってきた会社であり、地域の中での役割を果たしていくため、環境に配慮するということからEMS活動をスタートした。また、活力ある地域社会の創造に貢献するため、地域の活性化のための行事にも参加している。
環境負荷低減への取り組みは、多少経費がかかるが、投資効果は持続することでプラスに跳ね返ってくる。取り組み姿勢としては、やることが絶対「必要」だと考え、「面倒」でも、「手間」がかかっても、ルールの中で「効率」を考えて実行することである。
 
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