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訪問場所

ハイデルベルグ市環境保全局
 
対応者
Mr. Ralf Bermich(省エネ・地球温暖化対策担当)
 
ディスカッションの内容

ハイデルベルグ市はフランクフルトの南方約100kmに位置し、ドイツで最も古いハイデルベルグ大学のある大学町である。また1996年のドイツ環境コンテストで優勝した環境先進都市でもある。
人口約14万6千人のうち2万3千人以上が学生である同市は、大学が最大の雇用の場となっており、次いで各種研究所の雇用割合が大きい。また民間企業ではIT関連等の中小規模事業者が重要な雇用先となっている。現在職場数が94,500件と過去最高となっており好景気を享受している。

同市では1992年に地球温暖化対策に関するアクションプログラム「Action-oriented Urban Programme for the Reduction of Trace Gases Affecting the Global Climate for Heidelberg 1992」を発表した。
参加型手法により作り上げたこのアクションプログラムは、2005年までにCO2排出量を最低20%削減(1987年基準)することを目標としており、行政自身の取組として市関連建物での省エネ施策を、また民間エネルギー利用分野・交通分野でのエネルギー消費抑制のためのインセンティブ施策を中心に構成されている。
・ 民間エネルギー利用分野:ヒートパス事業、Eチームプロジェクト(詳細編参照)等
・ 交通分野:車両交通速度の低減化、公共交通機関の促進 等
・ その他:再生可能エネルギー利用、省エネの技術指導 等

好景気のために現時点の市内全体でのCO2排出量は基準年よりも6%増加しており目標達成は難しいようであるが、行政関連施設のCO2排出量削減等の個別取組では大きな効果を上げている。
また、欧州・日本ともにエネルギー使用量が伸びている民生分野で参加型の着実かつ実効性のある取組がなされていることは注目に値する。

 
視察の成果とEPOCへの提言
地球温暖化対策では産業・運輸・民生の3分野のうち、急増する運輸・民生のCO2排出への対応策が重要となってくるが、ハイデルベルグ市では参加型の取組が多数試みられている。
日本でも今後このような地域レベルでの取組の積み重ねが重要となってくるため、EPOCとしてこのような流れに対してどのような活動ができるのかを検討(例:家庭用ESCO)することが重要である。
 
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