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訪問場所

環境自然保護連盟(BUND)ハイデルベルググループ
 
対応者
Mr. Stephan Pucher
 
ディスカッションの内容

(1)BUNDの活動体制
○BUNDは会員22万人とドイツ最大の環境団体で、ドイツ全体で2000以上のグループで活動しており、1930年代から組織化、市民等と協力した環境活動は約10年前から推進している。
○BUNDでは地球規模な問題に対して、地域レベルの取組から始め、行政や企業の組合等、様々なパートナーとの協力関係により問題解決を実現している。
○BUNDの運営資金は、会員からの会費や寄付で運営されている。
 (会費:個人50ユ−ロ、学生16、企業50、家族65、年間予算は約12万ユーロ)

(2)地域で連携した環境活動事例
○BUNDハイデルベルグではパートナーとの協力関係により、小さなこと・できることから環境課題の解決を実践しており、市民や行政から信頼を得ている。
○ハイデルベルグ市と業者組合との協力関係により成功した3事例を紹介。成功のポイントは、経済性との両立と自発的活動であったこと。

 
事例@: 美容師と環境保護 (美容師組合、ハイデルベル市、BUNDの連携)
エネルギーの節約 タオルの大きさを半分にして洗濯量を軽減
    省エネ型照明器具への切替え、取付け場所見直し
水の節約 節水蛇口への切替え
健康被害の防止 関係商品選択の指標を提示(商品特性一覧を配布)
      (アレルギーが発生するシャンプーの使用中止等)
事例A: 塗装工と環境保護 (塗装工組合、ハイデルベル市、BUNDの連携)
塗料の有害性や塗料の廃棄方法をガイドブックにまとめ、無料配布
事例B: パン屋と環境保護 (パン工場、ハイデルベル市、BUNDの連携)
エネルギーの節約
新設工場を事前にエネルギー消費解析を実施
炉から発生する廃熱を回収し、再度燃焼に利用
 

環境先進国と呼ばれるドイツだけあって古い都市を守りながら、環境保護を積極的に取り入れようとする市民意識に裏付けられた活動に感心する。BUNDが市民と協力した環境取組の体制を形成するまで約10年を要しており、小さな成功の積み重ねが信頼に寄与している。紹介していただいた事例は個別のモデルであり、今後は社会全体への拡大や成果の継続的な評価が課題である。

 
視察の成果とEPOCへの提言
EPOCと比べ、当地には国際競争力の有る企業もなく、規模や国策、市民意識等が違い、また、事例も単純なネットワークモデルのため、直接的にEPOCのモデルとして適応できないが、市民の身近な環境問題に対しパートナーの立場で支援し、環境負荷とコストを共に低減する成果を着実にあげることで存在感を増しており、EPOCも環境のスペシャリスト集団として小さな実践を通じた信頼感、パートナーシップ関係の構築を進める必要性を感じた。主体の自発性を促進する触媒的立場で経済性と両立する成果をあげることがポイントである。
今回の訪問を機に、国際モデルの提唱に向けBUNDとの交流基盤も維持していきたい。
 
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